こんなとき固定資産税はどうなる?転居編

家庭の事情や仕事の転勤等、今すんでいるマイホームから転居して違う土地に移り住むことになってしまうという事態は、可能性の差があれど誰にも起こりえる問題でしょう。


住まいを引き継ぐ人もおらず、メンテナンスも充分にできない高齢夫婦または単身者なら、設備やケアに長けた老人ホームへ移り住むという人も少なくないようです。
また、グローバルな世の中になりましたし、海外に拠点を移して人生をリスタートするという選択もあるかもしれません。
そこでひっかかるのが、住んでいた家から転居するときの様々な清算です。マイホームそのものは売却をお願いすればいいと考えがちですが、マンションや戸建て住宅も最近では飽和状態。なかなか買い手が決まらないケースもあります。

○転居したら固定資産税は?
成人した大人には、様々な納税が課せられています。普段はあまり気にも留めませんが、転居で転入出手続きを行うときや、仕事が変わって社会保険の申請手続きをするとき、また年末調整の源泉徴収票にある税金欄をみると、その額に驚きます。
反面、毎年必ず確認書と納税書類が送られてくるのが固定資産税と都市計画税です。引越しをして転居すれば、(転送手続きを郵便局で行えば届きますが)引越し先にまで郵便は通常届きません。
納税書が届かなかったことが災いして、固定資産税の納付を忘れてしまわないようにしましょう。

○売却しても固定資産税は支払うの?
住んでいたマイホームを売って、所有者が変わったからといって安心してはいけません。転居先での生活も落ち着き、「いまさら?」と思うようなタイミングで送られてくるのが固定資産税評価額表と納税書類です。
ご存知のとおり、固定資産税の支払い義務者はその年の1月1日時点で不動産の所有名義人となっているひと宛に送られます。年の途中で買い手がつき、所有権を移転して明け渡しても、実際に住んでいない元旦時点での所有者が納税者です。

●売却転居の前に固定資産税の割合を算出
とはいっても、一年間全部は住んでいない(途中で転居した)住まいに対して、税金をあとで支払うのは納得がいかないという人もいるでしょう。
そのために、売買契約書の中で、売却時(所有権移転の日)以後の固定資産税支払をどうするか、飼い主と相談の上で決めて清算することを記載するのが一般的です。
現実には、1月1日時点での所有者に対して納税通知書が届きますので、税金を納めるのは売り手が行い、売却価格に上乗せするまたは実費精算という形で、購入者側が転居後の固定資産税を負担するというのが通例のようです。
あくまでも固定資産税納税義務は、1月1日時点での不動産所有者にあります。後の所有者(購入者)との関係は、全て契約時点での合意によるものですので、トラブルが起きないようにキチンと相互で確認をするようにしましょう。

【著  者   長 岡  利 和】


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