家選びは、自分の住まいに大きくかかわる日常の問題なので、皆さん慎重になるのはわかります。ただ、マイホームを選んでいる人の傾向を見ると、どうも住宅ローンに対して慎重さが欠けるような気がします。
住まいを選ぶのと同じように、きちんと比較してマイホームローンも選ぶべきです。その選び方と注意点を考えましょう。
〇不動産会社の提携ローンにとらわれない
住宅メーカーや不動産業者には、その企業ごとに提携している金融機関があります。その企業がメインバンクとして取引している金融機関や、地元のバンク系が主流でしょう。
購入手続きに進む際には、書面や手続き代行をお願いする手前上、提携先の金融機関を紹介されるでしょうが、そこで契約をしなけらばならないという縛りは決してありません。
●提携銀行に申し込むメリットは
不動産会社が紹介する金融機関で住宅ローンを申し込むメリットは、一つに審査が早いという点でしょう。物件の審査は住んでいるものが多いので、必要なのは申込者の収入のみ。
不動産会社の担当社員が、必要書類などを提携金融機関に届けるのが通例なので、自分で銀行に行く手間は省けます。
●手間を惜しむか金利を惜しむかがポイント
住宅金融公庫と銀行のどちらにするか…と、住宅ローン申込先を選ぶという感覚がなかったのはかつての話。今では、ネット系銀行やモーゲージ系など、住宅ローンを扱う金融機関は想像を超えるほどあります。
一度「住宅ローン 申込」などのキーワードで検索してみてください。びっくりするほどたくさんのローン種類と、それぞれのサービスがヒットするはずです。
いずれの住宅ローン商品も、金利と付随するサービスが異なります。金利は情勢によって随時変わりますが、これから長く支払っていくローンですから、少しでも家計に優しくお得な商品を選びましょう。
〇今利用できるサービスを探すときの注意点
自分で住宅ローンを選ぶときの注意点を以下に挙げておきます。
・住宅ローン金利は、「申込時」ではなく「引き渡し返済開始時」
・融資額は言いなりにならずに綿密な計算をして申し込むこと
・勤務先指定の銀行は退職するときに大きな負担があるかも
●申し込み後に契約条件が変わる際は注意を
住宅ローンの申し込みをしてから実行までには時間があります。金利の上昇リスクもありますし、申し込み後に融資金額の変更をする場合は、再審査となります。
また、返済が始まった後で、特に勤務先の指定銀行で申し込んだ住宅ローンなら、退職したと同時に、社員特例の条件が一切除外される・最悪の場合はローンの借り換え、ということにもなりかねません。
住宅ローンは、不動産業者のおすすめをそのまま受け入れるのではなく、(もちろんそれがお得な場合も多いですが)一度は自分で住宅ローンの種類やサービスを比較してみましょう。
言いなりになって後悔しないように、上記のような注意点を中心にして、住宅のお金についても慎重に考えてみてください。
【著 者 長 岡 利 和】