東京で賃貸物件を借りるというだけで、地方から上京する人たちは、その家賃の高さを想像するのではないでしょうか。
確かに、テレビやインターネットで紹介される情報を見ると、「1ルーム10万円」に近い価格で賃貸している若者や、キッチンもおまけ程度の極狭部屋で、ものにあふれて生活している人の映像を目にすることがあります。
ただし、東京の賃貸物件はこのような価格と部屋ばかりではありません。東京都内で移動の中心をになう中央線沿いで、安い家賃物件を探すときのポイントをご紹介します。
〇生活感がただよう中央線駅周辺は家賃がお得
東京駅に近い場所で探そうとすると、やはり家賃は全体的に高くなります。また、有名な商業拠点(複合施設や繁華街ビルなど)が乱立しているような駅の周辺は、どうしても住まいにかかる固定費も高くなりがちです。
しかし、わりと生活に密着しているような、しかも規模が大きくない駅前繁華街が続く駅、例えば国分駅や吉祥寺あたりになると、都会の様子からは少々離れて、生活感が漂うような落ち着いた雰囲気を感じられるでしょう。
〇学生が多い町 ファミリー層に人気な中央線
中央線の中でも、新宿・東中野駅以降の停車駅は、にぎやかな東京のイメージと落ち着いた生活圏のイメージが入り混じっています。
家族向けでおしゃれな街として有名な吉祥寺も、その一つです。駅にほど近い場所では、様々な流行・おしゃれな文化を発信するお店が多く、少し離れれば一日ゆったりと過ごせる公園や、神社が点在しています。
人が帰る場所をイメージさせる雰囲気があるところは、落ち着いて生活できるように家賃も安めの傾向がありそうです。しかし、新都市開発のように新しい建物が乱立するのではなく、築年数もそれなりに落ち着いた賃貸物件が多くありますので、その分家賃が抑えられると考えて得策でしょう。
〇中央線駅からの距離で家賃が大きく変わる
地方から出てきて、東京での暮らしを始めると、JRに限らず地下鉄や各沿線の駅を基準に行動を決める生活に代わる、ということを実感すると思います。
乗り換え・乗り継ぎ・下車するホームの出口番号などなど、あらゆる行動は駅のある場所に左右されます。
これが、車社会で慣れた生活を送る地方出身者と異なる点でしょう。
だからこそ、駅から少し離れた場所の賃貸物件は、段階的にしかもわかりやすいほどの下げ幅で家賃が安くなります。
1キロ以上離れれると、最寄駅が隣駅までの距離とほぼ変わらないのではないかというほど、東京の電車事情は充実しています。
「最寄駅まで徒歩〇分」のキーワードと、通る道、通勤通学の混雑具合、築年数など、駅までの距離にこだわらずに条件を相対的に考えると、非常にお得な家賃で生活することも可能です。
東京生活のスタートで気になるのは、家賃の問題と合わせてセキュリティにもあります。築浅物件マンションや新築マンション人気の高さは、セキュリティシステム面充実に期待していることが起因でしょう。
治安や周辺の事情も加味しながら、安心して生活できる環境を探してみてください。
【著 者 長 岡 利 和】