過去最低といわれ続けて下げ止まりが心配されているマイホームのローン金利ですが、これから更に下がるのか、それとも突然上昇に転じるのか…素人では全く判断がつきませんね。
住宅ローンに限ったことではありませんが、金利がどう推移するかは日本や世界の情勢や経済事情に大きくかかわります。ただ、金利をどれくらいに設定するかは金融商品を扱う機関がそれぞれ独自に決めることができるのです(一定の水準は有り)。
これからマイホームの購入を考えている人は、金利の推移と動向に興味を持ち、最も良いタイミングで審査貸付してもらうように遡及してスケジュールを立てましょう。
○これまでの住宅ローン金利推移
日本の景気が落ち込んで恒常化しつつありますが、かつてのバブル時代を知らない世代が大人になり、経済状態が冷え込んだ状態しか知らない人の割合が増えています。40年前の好景気時には、住宅ローン金利が変動で5パーセントを超えたこともありました。
今では考えられない利息を、マイホーム購入者は払っていたことになります。
ローン返済期間が最長20年だったことも金利事情に大きく影響しているでしょう。(今では35年ローンが当たり前になっていますが)
それが今ではすっかり也を潜め、住宅ローン金利1パーセントを超える商品のほうが珍しくなりました。これは、国の経済政策が大きく影響しています。
○経済の刺激政策と住宅ローン金利
国は現在、国内経済の建て直しを計るべく、様々な特別優遇措置や金融政策を打ち出しています。例えばふるさと納税もそのひとつ。市町村へ寄付をするという体で自治体に送金し、特産物や指定商品を受け取り、税制優遇まで受けられます。商品の生産消費と活性化を狙った政策です。
今国政が目指している「物価指数の上昇」実現にむけ、国は0金利(現在は更にマイナス金利の特例措置)で銀行等に貸付しています。だから、金融機関は住宅ローンを低金利で消費者に融資することができるのです。
●物価とマイホームローン金利の関係
節約志向と低価格化がもはや日常となっている状態から一転して、物価上昇にシフトしていく日本の姿が見えてくれば、マイホームのローン金利も即座に上昇へ転じるでしょう。
しかし、一度下がりきった価格を上向きにするのは簡単ではありません。新築住宅でも、数年前と比べて低価格志向のプランが多くなっていますよね。
手が届く価格の住宅プランを、ある程度選ぶことができ、しかも金利上昇の兆しがない今は、かつて例を見ないほどにマイホームの購入タイミングでしょう。
0.1パーセントの金利変動は、最長35年間支払うマイホームローンの総額に数十万、数百万円単位で差額を生じさせます。そして、融資実行するタイミングがローン適用金利の確定するときです。返済金額と金利を抑えるために、スムーズな審査手続きをする準備と引渡し時期に狙いを定めて建築計画を相談しましょう。
【著 者 長 岡 利 和】