自分が欲しいと思う家を探し始めると、理想の形や設備ばかりが目に言ってしまいがちです。せっかくマイホームを建てるなら、納得したものを手に入れたいという気持ちはわかりますが、欲求を全て形にしていると後に返済が苦しくなることも想定しておかねばなりません。
まず、自分と家族が望む家の理想から、何を削っていくべきか。住宅の内容と価格の双方から比較して、相場を見ながら引き算方式で折り合いをつけていくのがベストでしょう。
○理想は高く値段はシビアに
中古住宅物件は、比較する現物の物件の中からある程度の相場を導くことができます。しかし、新築注文住宅を建設予定の場合は、適正な値段を見極めるのは素人では困難です。
●中古住宅の値段と物件を見るには
中古住宅をマイホームとして購入するときは、いくつかの不動産会社を回ったり、新聞の折り込みチラシを見て気に入った物件を扱っている仲介不動産会社のめぼしをつけたりして、理想の家を絞り込みましょう。
一社訪れて、取り扱い物件をたくさん見ても、その不動産会社自体の価格設定や相場が高い、または低い場合があります。反対に、値段ばかりを気にして安い物件を扱う不動産会社を選ぶと、それ相応の物件にしか当たりません。
中古物件を選ぶときは、どのあたりの相場・間取り・築年数の物件を取り扱っているのかを、まずは確認しましょう。その後で、一つ一つが理想のマイホームに近いかどうかを判断していきます。
●新築マイホームの相場を知るには
建設予定の周辺にある住宅の中古物件価格を見てみましょう。築年数が経過している中古物件の値段を見れば、その土地価格の相場がおおよそわかります。
上物の耐用年数が経過すると、その土地の価値が値段の基準になります。土地の値段が高い地域かどうかの判断材料になるでしょう。
マイホーム本体の相場は、住宅メーカーや注文住宅の建売物件価格や、注文住宅の建築実績を見れば、それぞれの企業や設計事務所の値段が予想しやすくなります。
建てるならこれだ!と心に決めたモデルがあったとしても、その値段が相場と合致しているかどうか調べる意味でも、複数のメーカープランを見学したほうがいいでしょう。
マイホームは、一生のうちに何度も買い換えるものでもありません。数千万もの値段を支払うのですから、十分に納得して購入したいと誰もが思うはず。後になって不具合や問題が出たり、実は高めの値段で購入したことを知ったりするより、決断前に勉強のつもりでいろんな住宅を観察して、「もし自分が買うとしたら有りか無しか」を考えてみましょう。
理想を追い続けているときより、ずっとリアルにマイホームのことを考えられる様になるはずです。
【著 者 長 岡 利 和】