家選びは、その後の生活拠点を見つけるというだけでなく、どのように生活して毎日をどんな風に過ごすかという点に大きくかかわる大事なことです。
学校を卒業した新社会人が、就職のために上京して一人住まい用の賃貸物件を探すのか、または転勤が決まったお父さんが単身赴任するのか、家族全員で転居するのか…
世帯の人数と望む生活によって、借りたい物件や住みたい場所が決まります。
まずは、何を優先するのかという点をはっきり意識し、環境・通勤距離・駅までの距離・プライベートの過ごし方(趣味や教室に通うなど)をシミュレーションしましょう。優先ポイントと妥協ポイントを作っておくと、比較的スムーズに賃貸物件を選ぶことができます。
○毎日することを優先して賃貸物件を決める
世帯人数によって、必要になる間取りや広さは変わってきます。しかし、お風呂や炊事、洗濯をするスペースの有無は、ファミリー層でも一人暮らしでも生活そのものにかかわる問題です。
単身者用賃貸アパートで古い物件(共用部分がある物件)では、キッチンお風呂が共用、お風呂が無いというものもいまだにあります。
料理をしない人やお風呂無しでも大丈夫な人は、キッチンの広さや収納・水周りにこだわりは無いでしょう。しかし、料理好き・お風呂好きな人にとって、その広さは生活のしやすさにもかかわる大問題です。
毎日欠かさずにやることと、必要なスペースはまず優先して選びたいですね。
○中央線沿線によっては防犯対策も考えて
JR中央線は東京を都心から各方面への連絡(乗り継ぎ)もできる、東京の主線です。各地方に向かって移動が楽になることを考えると、特に始発駅や乗り継ぎ可能な駅は魅力でしょう。
お出かけが楽しくなります。
しかし、通勤利用者がとても多い上に、平日・土日とも家族連れや若者が多いのも特徴で、都心からしばらく走れば、のどかの風景も中央線沿線に広がります。
利用者が多いところには犯罪も多いもの。人通りが多い駅周辺の賃貸物件や、反対に駅から非常に遠い物件を探した場合は、日常的に防犯対策を意識して、これらに巻き込まれていないかを考えることが大切でしょう。
マンションのセキュリティーや治安の調査をして、恐怖心を取り払えるようなストレスフリー物件を優先しましょう。
○目的地間での距離をどのように見るか
目的があって、毎日混雑する中央線に乗るとしたら、乗車時間は短いほうがいいに決まっていますね。中央線以外に、電車賃を安くしかも最寄り駅があれば、そのエリア内の他電車・モノレールの連絡を調べて解消することができるでしょう。
仮に、都心部に近くて憧れに似たような東京生活を思い描く人もいれば、これから静かにゆったりと暮らしたい家族世帯の場合もあります。
住みやすさのポイントは、日常を改めて行う場合の利便性の高さ。これに尽きるでしょう。
【著 者 長 岡 利 和】