マイホームが欲しいと思っても、購入する物件選びやローンの組み方に関する知識をすべて備えている人は、そう多くありません。
何かしらの疑問があったり、悩みを解消したいと感じるタイミングが出てくるのは当然のことです。
ただ、チェック項目が多く、期限付きで決めなければいけないこともたくさんあります。後に悩んでいたことをふと思い出して、結局それがマイホーム購入の失敗に繋がるという残念なことにならないためにも、「あれ?これでいいのかな」と思った事柄は、都度担当者や専門家に確認することがとても重要です。
○家付きの土地を購入する場合の注意点
立地に申し分なし!ここの土地を買ってマイホームを建て替えしよう!と思って不動産を購入した後に、家が壊せない条件付だった…。
そんなことがあるのか?と思う人もいるかもしれませんが、実際に「再建築不可物件」というものがあるのです。
●どうして新たに建てられないの?
住宅を建てるためには、法律など決まりに沿っていなければ建築許可が下りません。いくつか条件はありますが、例えば建物を建てるには、建築基準法の中に「接道義務」を満たすことが明記されています。
建物を新築するときには、前面道路(幅4メートル以上)に2メートル以上接していなければならない決まりがあるのです。
この定めは、防火防災対策上必要なもので、万が一火事や地震などの災害が起こった場合に、避難経路を確保し、救急車や消防車が通行することのできる道に接しておくことを条件にしています。
現行法より前の建築基準法にそって建てられた住宅は、現存していればそのまま使用してもかまいませんが、一旦更地にすると建築許可が下りない為、新たにマイホームを建てることが出来なくなってしまいます。この場合は、既存の中古住宅を可能な限り改修して、利用するしかありません。
○お値打ち中古住宅を購入するときの注意点
償却期間満了が近い(価値が0に近づく)物件、つまり築15年以上経過した中古住宅は、建物そのものの評価ではなく、おおよそが土地に対する評価に基づいて販売価格が決まると思って良いでしょう。
とはいっても、築15年程度ですぐに壊れてしまうような住宅はほぼありません。そこで安心して、築年数にこだわらずに程度が良さそうに見える中古住宅を購入するのも危険です。
●極端に安い場合は必ず確認を
色んな物件を見ていると、「見た目は綺麗に見えるけどお値打ち住宅」がごくたまにあります。ここでラッキー!とすぐに購入するつもりで飛びついてはいけません。
お値打ち物件には、それ相応の理由があるのです。その理由は不動産会社の担当者に、きっちりと確認しておくべきでしょう。
購入したあとに「こんなはずじゃなかった」「どうしよう」と不満や悩みを抱くのは、購入者だけでなく、販売した不動産取扱の担当者にとっても寂しいことです。
ミスマッチを解消して、チェックを十分に行い、説明と物件に納得した上で、マイホームを購入しましょう。
【著 者 長 岡 利 和】