欲しいものを欲しいだけ買えば、費用がたくさん掛かってしまうのは想定の範囲内。形に見えるものに費用が掛かる分には想像も納得もできますが、マイホームは掛かった費用分が全て自分たちの住まいに直接生かされるわけではありません。
見えない部分の必要経費、予算管理をしてこそ、計画通りの予算で理想のマイホーム実現に近づきます。
必要な部分に掛かる費用は、法律上または安全衛生上仕方の無いものです。これは掛かる当然の費用と割り切って、あらかじめどのくらいお金が掛かる土地・建物を手に入れようとしているのかを建てる自分たちが理解しておかねばなりません。
○本体工事費とそれ以外の費用
マイホーム作りに掛かる費用は、まずプランを練ってその建物に住む本体の工事費と派別に、別途工事費、そして諸経費の三つに分けられます。
●本体工事費とは
文字通り、住まう家を設計して(またはハウスメーカーや工務店のパッケージプランを選択して)建てる家本体そのものに掛かる費用のことです。
大きさや設備、建具によって予算と費用の幅が最も大きくなります。しっかりと予算管理して、それぞれの部分にどのアイテムを選ぶかが、費用を抑えて現実的に支払っていける価格におさえるコツです。
●本体工事の詳細
ハウスメーカーに依頼してパッケージプランを選択すれば、本体工事の金額が明示されているので価格もはっきりしていますが、設計士に注文住宅を依頼するときなどは、本体に掛かる費用もひとつずつをチョイスして積み重ねて(積算して)いくことになります。
例えば、木造住宅の木工事(屋根のくみ上げや梁、柱、土台など木工事全般)や屋根工事、基礎工事に、住宅・電気設備工事、水周りの内装タイル工事や建具工事、外装塗装工事(ペンキの仕上げや塗料・塗装の選択)など、項目がたくさんあり、それぞれに施工技術料や素材・建材費用を積算します。
●別途工事費とは
マイホームを建てて、その家で長く暮らすためには、土地の土台基礎をしっかりとしたものにせねばなりません。また、ライフラインを得るための水道・ガス・電気工事や、住宅内への引き込み配線工事など、専門業者や資格を有した人でなければできない仕事があります。
依頼して掛かる費用と、土壌改良工事費用などが別途工事費用に当てはまります。別途工事は「人が住める状態にすうための費用」として欠かすことができません。
●忘れがちになる諸費用
マイホームを所有していることを公的に証明する登記や、マイホームが建てることができる規格かどうかをチェックする建築確認申請、ローンの手続き費用など事務的手続きがたくさんあります。
このクリアしなければならない事務手続き費用は、一回に数万円から数十万円(登記申請の際の士業報酬など)が掛かるものもあります。
そのほかにも、地鎮祭や上棟式、完成までの住宅費用に引越し費用などが発生します。
マイホーム作りに必要な費用配分は、本体工事7割、別途工事2割、諸費用1割程度を想定しておきましょう。
本体以外の費用は、あらかじめ掛かるものだという意識をきちんと持って置くようにしましょう。
【著 者 長 岡 利 和】