土地付き一軒家を所有していれば、相続税が発生しかねない現在の法律。平成27年の税制改正で法定相続人の控除額が減額されたことを受けて、相続税の支払いをいかに少なく、節税対策に取り組むべきかを、一度しっかりご自身の場合に当てはめて考えておく必要があります。
様々な遺産に対して相続税が発生しますが、中でも住宅に関連した対策をとっておくことで、いざというときに節税効果を発揮する場合があります。
世帯ごとではなく、相続人全員と意志の確認をして、後々「ああしておけばよかった!」という事態にならないようにしておくべきでしょう。
○不動産の評価を知っておく
建物は建築からの経年数に応じて減価償却し、資産価値が減少していきます。しかし、土地はその時の時価で相続税の算出をします。
土地付き建物(実家)を所有している被相続人が亡くなって、だれかが譲り受けるというシーンはよくあるパターンです。実際に相続する土地の価値が、他の相続人が受ける相続財産(現金)と同じ価値があるかどうか。これは、来るべき時の時価で決まるということになるのです。
とはいっても、現物を相続する人と現金を相続する人がいることに不公平感を覚える相続人もいます。実際に受け取る相続財産の価値が不透明なためにおこるトラブルでしょう。
素人の目測で近隣の土地価格相場から相続財産を見積もり、誤算によって多くの相続税を支払うことは、きっと相続人も誰も望みませんね。
まずは専門家に相談して、固定資産税評価などを見ながら適性価格や相場を算出しておくべきです。
●条件によって土地の時価相場が変わる
売買によって土地を購入したとき、購入金額=相続課税対象額ではないことに注意しましょう。路線価や市街化区域、特区の指定など、土地の評価はその時期によって大きく変わります。
不動産の価格はやはり不動産関連事業を行っている専門家や、税理士に相談してみることをお勧めします。
土地に関する相続税の中でも、連帯保証人になっている、未払いの税金や家賃がある、などの条件があれば、注意が必要です。相続をして未払いや新たな債務が生じたとき、その負の財産も引き継ぐことになります。
○遺書や公正証書を作成して相続税を節税
法定相続人によって遺産の分配がおこなわれそうなときに役に立つのが遺書・公正証書です。公的に認められるものを作成して備える場合には、遺書作成費用などが発生しますが、
有れば遺族の意思を確認しやすくなり、スピーディーに相続を進めることができるかもしれません。
公正証書作成や、遺言の管理は士業の人に依頼をして行うのがベストです。
相場では数万円アップで、土地に関する資産価値評価を依頼するという責任に対して報酬が発生する点に、充分注意しておきましょう。。
【著 者 長 岡 利 和】