ここ二年間ほどもの間、変動型金利は下げ止まることなく、低迷を続けています。そろそろマイホームを購入してみてもいいか?と決断するきっかけとしても、住宅ローン金利の低さは度外視できません。
数千万円単位でお金が動くことになるマイホーム購入にあたって、いつか買いたいと思っているなら、ローンの金利が低いうちに買っておきたいのは、むしろ当たり前の発想でしょう。
しかし、借り方の違いによって金利や安心感、総返済額は大きく変わります。融資を受ける金融機関に勧められるままの契約をしては、いずれその不満や不安が悩みの種になることも。
キチンと自分の意思で金利を決断できるように、マイホーム購入前には、住宅ローン金利の動向を見ながら、「どのように借りるか」をしっかりと考えて審査申し込みを行いましょう。
○固定金利のマイホームローンは「安心感」
マイホームを購入して、住宅ローンを支払う間に金利が上昇するかもしれない…という不安を軽減することができるメリットがウリの固定金利型。
住宅ローン金利が低いときに申し込みをして、返済開始すれば、(契約に基づき)最長35年のフルローン期間中、金利上昇の不安から開放されます。
あらかじめ予算契約をたてやすくなるので、ライフステージに応じた出費や生活スタイルを予測して計画しやすくなります。
ただ、借り入れ時に最も低い金利(変動)と比べてコンマ数パーセント~1パーセント近く上昇する点には注意が必要です。
○変動金利のマイホームローンなら「超低金利」のメリット
マイホームローンの底値を表すときには、おおよそ変動金利となる最も低い金利を公表します。購入価格(ローン借入れ残)に対してどれほど乗じるか。借入れ元金の上積みとなるローン金利が低ければ、トータルで返済する金額も抑えられます。
しかし、低い変動金利がいつ終わって上昇に転じるかは、正確に予測することが不可能です。数年先の話ではなく、今から未来に向かってどの様な傾向を迎えるのかは誰もわかりません。
マイホームローンを抱えれば、常に金利の昇降が気になりはじめるでしょう。安心感は固定金利に劣りますが、変動金利なら、実際の返済額をぎゅっと抑えるチャンスでもあります。
住宅金融支援機構の2015年調査によれば、前年の調査結果と比べて、ローンを固定ではなく変動金利で審査する人の割合が高まっています。
おおむね15年以内で完済するマイホームローンなら変動で、それ以上なら固定型で審査して融資を受けると良い、ともいわれています。購入手段と選択は人それぞれで異なりますので、申し込み時には蜜に相談をして、比較検討しておきましょう。
【著 者 長 岡 利 和】