一人暮らしの人は、その住まいを選ぶとき、賃貸という形をとる人が非常に多いですね。建物の管理責任がないことや転居が簡単なこと、仕事を変える(転勤も含めて)など、引越しを想定した住まいの形を選ぶ人が多いでしょう。
ただ、毎月決まった家賃を払い続けていれば、その家賃は「借りている住居に対する対価」として、自分に返ってきません。
都心部では近年、単身者向け物件が急増しています。一人暮らしを支える住まいを「購入する」という考え方も、以前と比べて広まっているようです。
○独身でマイホームを購入するメリット
独り身の人は、先の将来にどんな生活が待っているか…。結婚して子どもが生まれ、家族で住まう新たな生活をスタートさせる可能性を考えると、独身でマイホームを所有するということを前向きに考えにくいかもしれません。
ただ、賃貸でこれからどれほどの期間を過ごすかもわかりませんね。独身でマイホームを購入するメリットをあげてみます。
●住まいに対する自由度があがるマイホーム
賃貸物件は、その大家さんと管理会社によって使用方法や規約が細かく定められます。借りる立場としては、メンテナンス費用が不要な分、住まいの自由度も下がります。
少しでもくつろぐ空間にしたいと思っても、間取りは自由にならず、原状回復が前提なので、変更をすることができません。
マイホームなら、その費用は自分負担になりますが、思うように改修・リフォームすることができます。
●マイホームに誰と住まうか
最近は賃貸のルームシェアやペット可物件も増えています。とはいえ、あらかじめ契約できる物件にも限りがあります。マイホームなら、使っていない部屋を知人や友人と一緒に使うことも、家族が増えて一緒に住むことも、ペットと一緒に住むことも自分の一存で決めることができます。
○独身でマイホームを購入するなら
不動産を購入する場合、マンションまたは一戸建てのいずれかを選ぶことになります。独身者が住まう住居の形に適しているのはどちらでしょう。
●セキュリティからマイホームを考える
一戸建てに住まうときには、防犯対策が欠かせません。庭から見える窓の位置、施錠の方法など、注意が必要な箇所はたくさんあります。
仕事で日中留守が多い場合には、他に在宅する人がいない独身者だからこそ、気をつけておかねばならないポイントもたくさんあります。
その点、マンションを購入すると、セキュリティ面で安心感が高まります。立地条件も整っている物件が多く、利便性とセキュリティの高さを思えば、独身の人はマンションに軍配が上がりそうです。
●費用から独身のマイホームを考える
マンションは安全性が高そうにみえますが、購入後も管理費や修繕積立金が必要になります。一戸建てを購入した場合は、その費用は必要ありませんが、設備のメンテナンスや修繕、取替えに掛かるコストは上がります。
賃貸かマイホーム購入か、独身の人にとって悩ましいのは、生活や世帯が変化する可能性が高い点です。将来的に不要になれば、賃貸に出す、または売却するという方法もあります。理想の住まいに安心して長く住まう…。独身の人もマイホーム購入を検討してみてはいかがでしょうか。
【著 者 長 岡 利 和】