家は高価なものだし、長く払っていく自信がない…と言っているうちに、健康な働き盛りの年齢はあっという間に過ぎてしまいます。
いつかはマイホームを持ちたい!と思っているなら、できるだけ早く、若いうちに資金計画をして、購入に踏みきる方が完済も早まります。老後の住まいに不安なく過ごすことができそうです。
しかし、いろんな家を見ているうちに、つい気が大きくなって無理なローンを組んでしまう人も中にはいます。まずは、「予算(住宅費用)の上限を決める」ことが大事です。
○住宅ローン借入額=住宅本体ではない
本体価格を現金で支払えば、登記などの諸手続きにかかる費用は別にして、おおむね本体価格に近い金額で購入することも可能です。
ただ、数千万円もの大金を貯金だけでまかなうのは、現実的に考えても難しいですね。そこで、多くの人が利用するのが住宅ローン。ただ、本体価格ばかりに気を取られていると、思わぬ出費がかさんで支払いに困ってしまうという事態になりかねません。
●住宅ローンの諸費用はどのくらい?
借入れ(融資)を受けるには、それ相応の利息、手数料などが発生することを知っておきましょう。貸付をする金融機関も、企業活動としてローンを扱います。いろいろな手続きが多くなれば、その分手数料として利用者から手間賃を取らねばなりません。
名目として、事務手数料、融資手数料がありますが、この他にも長期の貸付に対する保証料や、融資を受けた人の万が一に備えた団体信用生命保険料、住宅焼失などに備える火災保険料もあります。
これらは、住宅本体と別にかかってくる費用です。最近は諸費用をローンに組み込むことができるものも増えてきましたが、諸費用分の融資額を上乗せすれば、巨額なローンの元本を増やすことになります。
預貯金に余裕があるなら、諸費用のうち全てまたは一部を現金で準備することも考えておきましょう。
●ローンの保証料ってどのくらい?
住宅ローンの借入額が大きくなれば、そのローンをきちんと返済することができる担保を求められます。融資をする金融機関にとっては、貸したものがきちんと回収できれば良い訳です。それが、極論を言えば利用者ではなく、担保(抵当権設定した)物権の売却であろうが、連帯債務者からであろうが、貸し付けた金額に利息を付して完済すれば、問題ありません。
そこで、きちんと融資を受けた先に完済をする手段の一つとして、保証会社から保証を受けるという手段をとります。もし返済が滞れば、融資残債を保証会社に支払ってもらい、保証会社に債権を移します。
保証を受けるための審査も、住宅ローンの審査に含まれます。そして、保証会社から保証を受けるために、保証料が必要だという点に注意しておきましょう。
どのくらいの保証料が必要になるかが問題ですが、ローンの額と返済期間によって、保証料は決まります。額が大きく、期間が長いほうが保証料も高くなると考えてよいでしょう。
保証料不要のローンもありますが、他の手数料や金利が高くなるケースが大半です。
例えば借入額3000万円で35年返済とした場合、50~60万円ほど掛かります。また、金利にコンマ数パーセントを上のせして保証料を取る方式もありますので、借入れの際に確認をしておきましょう。
【著 者 長 岡 利 和】