マイホームを実現するために押さえておきたい「割合」

これからずっと家賃を払って、やどかり生活をすることに不安を感じる人もいるでしょう。反対に、家を借りてすみたいところに住む生活のほうが、ローン支払いに縛られなくて良い、という考えの人もいますね。
マイホームを購入するときには、勢いにも似た「思い切り」が必要です。借り続ければ家賃は終生かかっていきますし、家賃の支払いをするよりも自分の家にお金をかけよう、という考えの人が多く、タイミングやライフステージの変わり目に、思い切る感情が起こりやすいといえます。


しかし、マイホームを購入する前にひとつ知っておかねばならないことがあります。それは、「マイホーム本体だけにかかるお金」が全てではないということです。
マイホーム以外に必要な出費と、その割合がどれほどか。きちんと計算してから購入しましょう。

○借入れ金額と収入の割合
賃貸物件で生活をするとき、家賃はできるだけ安いほうが生活資金にゆとりをもてます。マイホームはローンの審査が通る範囲内なら、自分でいくら借りるかを決められるという利点があります。
しかし、この借入額をいくらにすればいいかは、生活資金のなかから一定の割合で算出して決めなければなりません。

●年収のうちマイホームの返済割合は○%以内に
マイホームにかけるお金は、年収の20%にするのが良いといわれています。これは、ローンの借入れ上限額が年収の25%だということと関係しています。
マックスで借入れをすると、その分家計を圧迫します。子どもがいる世帯なら、進学や受験のタイミングでなにかと物入りになったとき、家計に余裕がないことで生活資金が上手く回らなくなってしまいます。
限度額を計算するのではなく、家計と将来設計を一緒に考えながらマイホームローンの返済割合を決めましょう。

○マイホームのために用意する頭金の割合
フルローンでマイホームを購入することもできます(以前はできませんでした)が、費用を含めた住宅資金全てを借り入れると、元本が膨れ上がり、最長35年ローンの中に含めれば相当の利息を支払うことになります。
マイホームを持つために必要な諸費用(登記や保険、住居の設備など)に準備しておきたい資金割合は、全体の2割程度です。
内1割は、初年度の固定資産税や不動産取得税など、税金の納付にとっておきましょう。諸経費は物件価格の5~8%程の割合を見込んでおけば、現金支出の備えとして十分でしょう。

○団体信用生命保険加入ができない人の資金割合
健康な人なら、団信(団体信用生命保険)に加入して、契約者の万が一の場合に備えることができます。持病や手術歴をみて団信に加入できなかった人は、借入れに連帯保証人を求められます。
自分の返済遅延が、連帯債務者に及ぶかもしれないというリスクを考え、慎重かつ控えめな資金計画を立てておくべきでしょう。
住宅ローンの返済割合と、ライフプランをしっかとすり合わせして、返済可能な額を知っておきましょう。無理に大きなマイホームや土地を狙っていると、不測の事態に対応できないローンの借入額になってしまうかもしれません。
利息計算と生活費用との割合を専門家と一緒に見もらいながら、冷静に自分が返済可能な金額と年収の割合を知ることも重要です。

【著  者   長 岡  利 和】
 


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