自分の持ち家が欲しいと思う瞬間ってありますよね。
例えば、「隣の家の生活音が気になる」「自分が好きなように間取りを変更することができない」「建具のキズや壁、床のよごれを原状回復しなければならない」というような、賃貸物件を借りる環境と条件をクリアしたいと感じたときに、賃貸生活への不満を思うでしょう。
しかし、住居にすむひと皆が、自分の家を購入しているわけではありません。実際に、マイホームを購入する世帯と、賃貸で一生の住まいを確保しようとする世帯があります。
それぞれにメリットとデメリットがありますが、世帯によってその価値観も違うでしょうし、一概に「絶対こっちがいい」と言えるものでもありませんね。
そこで、賃貸生活とマイホーム生活の違いを知っておくことが大切です。後に公開しないためにも、きちんと二つの違いを知っておきましょう。
○マイホームのお金事情がもつ「損」イメージ
マイホームを買うのは損だ!という話を聞くことがあります。このときに示す「損」の元はやはりお金事情を指すと考えるのが妥当でしょう。
マイホームを購入したからこそ発生する費用があります。賃貸物件で必要になるお金は、家賃と火災保険料(加えて地方なら自治会費で数百円)程度でしょう。しかし持ち家には、持ち家ならではの税金納付という義務が発生します。
●マイホームを買ったらまず不動産取得税
購入した年1回のみ課税されるのが、不動産取得税。この税は、マイホーム本体と、購入した土地それぞれの不動産価値に対して、税率を掛けて算出します。
●マイホームが自分のものだというための登録免許税
不動産を所有したら、保存登記を行います。土地や建物、会社設立など、権利を主張するためには登記をしておかねばなりません。中古住宅を購入したら、従前の持ち主から権利を移動させるための登記が必要です。同様に、土地を購入したときも、前の持ち主からきちんと移転登記をしなければ、「この不動産は自分のものだ」と公に主張することができません。
●毎年払うから「損」イメージ?固定資産税
不動産を所有すると、その資産価値に対して毎年税金を納めなければなりません。固定資産税は、マイホームや土地といった(事業資産を持っている人も同じ)固定資産を持っていなければ課せられることはありません。
賃貸物件で生活をしているなら、もちろん不動産を所有しているわけではないので課税されません。(物件を所有している大家さんが固定資産税を支払います)
賃借暮らしをしていれば、これらの税金は掛かりません。しかし、マイホームを購入した人にとっては、「家賃をずっと払い続けて手元に全く何も残らないこと」損感情を抱くようです。
生涯どのくらいの家賃(住宅ローン・税金)の払いをすることになるかをじっくり計算してみるのも良いでしょう。具体的な数字を見ることで、今の損イメージが覆ることもあるかもしれません。
【著 者 長 岡 利 和】