家を購入するとき、住宅ローンの審査を借入れ先に申し込んで、長期返済をしていこうと考える人が圧倒的多数でしょう。現金一括で住宅を購入できたら、それが最も無駄のない買い方ですが、それを実現しようとすればいつまでたっても貯金が進まず、マイホームを持つ夢もついえてしまいます。
自分の家で長く暮らしたい…という願いをかなえるとき、住宅ローンはとても便利に感じるでしょう。しかし、安易に住宅ローンの申し込み先や返済方法を決めてしまうと、後に「無駄な出費」が見え隠れするかもしれません。
払い始める前に、しっかりとした資金計画と、綿密な返済計画を立てて、総支払額をきちんと意識しておきましょう。
○どこまで住宅ローンに組み込むか 無駄な金利をカットする
手持ちの現金がほぼ0の人でも、住宅ローンの審査と借入れができる時代になりました。以前は満額ローンがありませんでした。借入額の10%程度は自己資金を準備し、それを頭金にすることで、一定の収入力や資金力を測る役割もあったでしょう。
ただ、現在ではおおよその金融機関、モーゲージ等で満額借入れができる金融商品を揃えています。
自己資金がない人にとってはありがたく、一見便利にもみえるでしょう。しかし、頭金なしで借入れをすると、当然に借入元本額が大きくなります。
その分余計に金利を支払うことにもなります。元本が数千万円にもなる住宅ローンの借入れは、数十万、数百万上乗せすれば、月に換算して数千円程度、支払わなくてもいい無駄な金利を余分に払う計算になります。
○保証料か連帯保証人か 返済上乗せ分は無駄
大きな借金となる住宅ローンを、担保無しで貸してくれる金融機関はまずありません。多くはその購入物件を担保として抵当権を設定し、返済をするうえでの担保に保証料を求められます。
もしもの場合に備えて、金融機関が保証会社に返済業務の委託をするために必要となるのが保証料です。低金利プランをもつモーゲージやネットバンク系では保証料0という商品もあります。ただこのときには、支払いを担保する人(連帯保証人)をつけることが条件となる場合が多いです。
返済するお金を考えると、保証料の無いプランのほうが、かかるお金も抑えられて無駄を省けます。しかし、住宅の返済債務に対して、連帯債務を負ってくれる人への信用維持は完済まで気を抜いてはいけません。
○繰り上げ返済で金利の無駄をカット 費用もチェックを
繰り上げ返済をこまめに行って元金をへらすと、その分金利分の返済をへらして無駄をカットすることができます。繰上げ返済に掛かる費用(事務手数料など)がかかる機関もあるので、繰上げ返済をする前にキチンと調べておきましょう。
【著 者 長 岡 利 和】