不動産を取得した際にかかる「不動産取得税」とは?

相続以外の取得は不動産取得税の対象

不動産取得後には都道府県税である「不動産取得税」が請求されます。この税金は、売買や贈与、交換などで不動産を取得した場合、新築や増改築した場合に都道府県から課税される地方税です。相続での不動産取得は非課税となるため対象外になります。

不動産取得税の納税方法

不動産を取得してから6か月~1年半の間に各都道府県から納税通知書が届きますので所定の金融機関で納付しましょう。納期については、各都道府県により異なります。

不動産の「取得」は有償・無償を問わない

不動産を購入したのではなく、無料で譲り受けた場合もあるでしょうが原因が相続ではない限り不動産取得税は請求されます。そして不動産の評価額が贈与税の年間基礎控除額を超えれば贈与税も発生します。婚姻期間20年以上の夫婦間が、評価額2,000万円まで非課税の特例である配偶者控除の制度を利用して不動産贈与を行う場合、贈与税については非課税になっても不動産取得税は課税されます。

登記の有無を問わない

そして注意したいのが不動産取得税は登記の有無を問わないということです。通常でれば不動産の所有者が変わる場合には、所有権の移転登記を行うでしょう。登記申請を行えば登記目的に応じて登録免許税などが発生します。だったら登記申請を行わないという場合、登録免許税は必要なくなるでしょうが不動産取得税は実体に対しての課税になります。

新築の場合の不動産取得税の計算方法と特例

不動産取得税は、「固定資産税評価額×4%」で計算されます。ただし、この4%という標準税率は、土地・住宅が3%まで軽減されます。ただし住宅以外の家屋については4%のままです。また、宅地の課税標準が2分の1となる特例もあり、「固定資産税額×1/2」で計算されます。

また、長期間に渡って良好な状態で住宅が長持ちできるための基準をクリアした住宅を長期優良住宅といいますがこの長期優良住宅の場合には、課税標準からの控除額を一般住宅特例より増額する特例が適用されます。適用される内容は、新築住宅の1,200万円に代えて1,300万円の控除となり、100万円増額されています。

これらの特例はいずれも平成30年3月31日まで適用されることになっています。

中古住宅とその敷地の不動産取得税と軽減

中古住宅の場合、築年数によって税金が軽減される特例が適用されるかが大きく関係します。

中古住宅の登録免許税

まず登記で必要な登録免許税が大きく違ってきます。特例適用対象となる条件は次の通りです。
・自己居住用住宅であること
・床面積が50㎡以上であること
・築20年(耐火住宅の場合は築25年)以内、もしくは地震に対しての安全基準に適合する住宅であることが証明されていること
・取得後1年以内に登記であること

登録免許税は特例が適用されれば税率3%ですが、適用されなければ20%かかることになります。

中古住宅の不動産取得税

不動産取得税についても課税標準の特例が適用対象になるための条件があります。
・自己居住用住宅であること
・床面積が50㎡以上240㎡以下であること
・昭和57年1月1日以降に新築された住宅であること。もしくは地震に対して安全基準に適合する住宅であることが証明されている新耐震基準に適合している住宅であること。もしくはそれ以外で入居前に新耐震基準に適合するための改修を実施する一定の住宅であること。

中古物件の場合の不動産取得税は「(固定資産税評価額-控除額)×3%」で算出されます。この控除額部分については、各都道府県によって若干相違があるため居住地のある都道府県税事務所に確認してみましょう。

【著者 長岡 利和】


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