マイホームを買うならいまだ!という話が多くなったのは、およそ3年前になる「物価指数2%計画」に基づく国の政策…、ゼロ金利とマイナス金利政策が発端でしょう。
●今のマイホームローン金利に至るまで 買うときの条件1
これまで、住宅ローンの金利は、景気の悪化と共に、確かに下がり続けていました。団塊世代の人達がマイホームを購入した時分、住宅ローンの金利は5%を上回るものも珍しくなかったといいます。
それが今や1%を割り込む時代です。それでも当時の若者(働き盛りの世代30代)は攻めの姿勢でマイホームを買う人が多くいました。
加えて当時はまだ、住宅ローンの返済期間も最長で20年だった頃。フラット35も無く、今よりも辛い返済状況の中でも若い世代がマイホームの夢を叶えたのは、やはり景気の良さでしょう。
●マイホーム選びのスタイルが変わる 年齢に応じたプランも可能に
一昔前は、マイホームの購入を考えた場合、まず起こすアクションは「住宅メーカー巡り」。もしくは、老舗の住宅建築工務店、いわゆる職人さんがいる住建企業に紹介してもらうといった、人とのつながりや義理、縁で家を決める事が多かったと言われています。
今のマイホーム選びとなる基本は、第一に「新築か中古か」そして「戸建てかマンションか」。この二つの条件によって、年齢を問わずマイホームを購入する間口は広がっていると言えるでしょう。
●中古マイホームを買うほうが大変?という噂
新築住宅は高嶺の花…、年齢が若い人ほど「新築マイホームを買うのは大変だから中古住宅くらいがちょうどいい」と考えがちの様です。
リフォームやリノベーションの普及によって、中古住宅を購入したあと、自分たちの好きな間取りや設備に作り替えるという家の形も一つのブームになってきました。
ただ、中古住宅を購入する場合、一つ注意しておかねばならない事があります。それは「購入価格の他に掛かる諸費用」です。
新築住宅の購入時にかかる諸費用とプラスして、中古住宅の場合は、不動産会社や仲介業者に支払うあっせん報酬(手数料)が必要です。
手数料やあっせん料などの報酬は、住宅本体の価格に対する割合で算出し、報酬上限が決まっています。とはいえ、諸費用も含めてローンを組む事ができる新築物件と違い、中古住宅に必要な報酬などは現金で準備しなければなりません。
年齢が若い時にマイホームを購入する事ができれば、将来の住まいと返済は楽になるでしょう。ただ、マイナス金利に突入する前の平成24~25年「住宅市場動向調査」(国土交通省)によれば、マイホームを購入した平均年齢は、「新築戸建て39.3歳、新築マンション41.6歳、中古戸建て42.9歳、中古マンション45.1歳」という結果になっています。
金銭的な条件に加えて、ライフスタイルの変化と住まいの広さを上手に選ぶ事も、マイホームをより良くするためのポイントと言えるでしょう。
【著 者 長 岡 利 和】