一戸建て、またはマンションを買おうと決意し、いざ融資先の銀行へ…。自己資金がある人は、預貯金のうち頭金にどれだけお金を準備するかが悩みどころでしょう。
ただ、頭金の支払い時期がいつなのかが分からない、という人も多いようですね。住宅ローンの契約と、頭金の支払い時期についてお話します。
○住宅ローンの契約と頭金
「マイホームを購入するとき、まとまった額の頭金はあったほうがいい」という事は、誰しも想像ができますね。フルローンで何もかも住宅ローンに組み込むと、最長35年間かけて支払うローンの元金が大きくなる分、利息も高くなります。
ただ、その支払い時期によっては、数十万円でも貯めて必要な時に支払うプランを立てられるかもしれません。
●住宅ローンと手付金の支払い時期を抑える
まずは、購入する物件の代金を支払うお金の流れを確認します。
マンションや中古住宅の場合、申し込み段階で手付金として10万円程度の現金を支払うように求められる事が多いです。
新築一戸建ての場合も、依頼する業者によって異なりますが、契約の段階で手付金を支払うのが通例。新築戸建て・マンションは、完成してから融資先のローン実行となり、同時に引き渡しを受ける流れになります。
●頭金を支払うタイミングは?
申し込みをした時に払う「申し込み証拠金」は、それが費用として別に必要なわけではなく、実際に契約を結んだ時点で頭金に充当されます。
では、申し込み証拠金にプラスして頭金を準備したら、いつまでに支払うのか?これは、実際に購入する事が決まった「契約時」から「引渡し(=融資実行日)までの間と考えておきましょう。
契約をして、引渡しまでの時間が短い中古物件なら、さらに預貯金を増やす時間はあまりかけられませんね。新築物件なら、完成までに数ヶ月(マンションなど長期計画や着工前申し込みなら1年弱ほど)の時間的猶予が生まれます。
○融資実行までに支払い時期が重なる諸費用も考えて
住宅ローンの融資総額に対する頭金の割合が高ければ、住宅ローン金利を引き下げるという特典のあるものもあります。そのために頭金を多く準備したくなる気持ちもわかります。
しかし、契約時から引渡しまでに、登記の申請や引越し費用、新居に必要な家具など、都度かかる諸費用の事を忘れてはいけません。
また、マイホームを手に入れて預貯金0からスタートすると、生活に余裕がなくなるだけでなく、収入減や転職、病気などに対処ができなくなります。
マイホームローンの支払いだけを考えると、頭金は多い方がいいでしょう。ただ、住宅ローンだけではなく、ライフステージやもしもの場合にそなえた貯金も、手元に残しておく事を前提にして頭金の額を決めるのが賢明です。
もし、頭金の支払い時期に間に合わなければ、繰り上げ返済をすればいいのです。繰り上げ返済をするなら、元金の大きい内の方が、支払う利息減効果も高くなります。
引渡しまでに準備できる額を頭金に充てて、長いスパンで住宅ローンと向き合っていきましょう。
【著 者 長 岡 利 和】