超低金利時代と、物価がなかなか上がらない経済事情のなか、土地の価格とマイホームの本体価格も底値を更新している雰囲気があります。
土地の価格は、その時々の時代と景気によって変わりますが、マイホームそのものは、性能が高く価格は抑えて…という動きが年々強まっているようです。
ニーズに合わせて、狭小サイズのプランや、最小限度の設備に抑えた単身世帯向けのマイホームも増えてきました。価格もニーズに応じて変化しますが、住宅の場合は本体の価格そのもので節約をするのではなく、設備やオプションで予算を抑える方が賢明です。
〇マイホームの資産価値を下げない 長期で節約を
マイホームにもとめる条件は何ですか。できれば安く自分の城を手に入れたい!という人もいるでしょう。収入や今の賃貸家賃とを比較して、これから支払っていくマイホームローンをどれだけ抑えるか、というのも切実な問題です。
しかし、安く購入することを一番の目的にすると、基礎工事や施工など家の軸になる部分にしわよせが来ることもあります。
〇価値を維持することで節約につなげる
マイホームそのものの価値を上げるという発想を基準にして、マイホームを検討しましょう。価値を上げるための条件は大きく分けて「耐震性」「耐久性」「省エネ性」「バリアフリー」の4つがあります。
●耐震・耐久性と節約 マイホームを強くする
ここ数年、日本で頻発する地震や自然災害によって、住宅や建物が倒壊する被害が多く見受けられます。建築基準法が改正された1980年代以後の建物は、一定の震災に耐えられるとしていますが、地盤や老朽化、メンテナンスの具合も大きく関わります。
耐震性の高いマイホームを選べば、仮に災害が起こって家が倒壊するリスクを抑えられます。耐久性が高ければ、劣化や老朽化を抑え、メンテナンスにかかる費用を後に節約することができます。
●省エネ性と節約 快適なマイホーム空間にする
暖房や冷房に頼らず、電力消費が少ないマイホームのあり方が広まっています。夏涼しく、冬温かい空間を住宅構造でかなえられれば、後にかかる光熱費を抑えて節約につながります。
太陽光発電や蓄電装置を備えた住宅であれば、光熱費を0にして売電収益を上げることも可能です。
購入するときの価格をみると、マイホームは決して安い買い物ではありません。できるだけ価格を抑えようと節約ポイントを探したくなりますが、価値を維持するための条件を数多くクリアしたマイホームづくりをおすすめします。
【著 者 長 岡 利 和】