最近の住宅事情は、「高品質なマイホームを低価格で」がキーワードになってきています。
住宅を省エネ設計にしたり、耐久性を上げたりといったハード面の設備が、従来の構造の強さにプラスされてきています。
技術が一定品質以上のものに落ち着き、価格も安定してきたのかもしれませんね。
○住宅ローンの返済額と生活の見通し
とはいえ、さらに便利で高品質な設備は改良されつづけますし、住宅そのものは決して安い買い物ではありません。月々の住宅ローン返済額を賃貸物件の家賃程度におさえたい、という希望をお持ちのかたも多いように感じます。
しかし、住宅にかかる費用は本体価格だけではありません。税金支払いの準備も必要でしょうし、消耗部品やメンテナンス費用も掛かります。
●住宅ローン月額返済額を抑えてボーナス併用も
毎月の住宅ローン返済額は、総返済額を返済回数(35年ローンならば35年×12ヶ月=420回)で分割します。さらに月額の住宅ローン返済額に利息を含めるか否か(元利均等か元金均等か)によって金額が変わってきます。
元金が数千万円単位になり、借入期間も35年となれば、トータルで支払う利息は相当なもの。それでもやはり、家賃とおなじくらいの住宅費用に出費を抑えたいという人には、ボーナス併用で住宅ローンを組むことができます。
●住宅ローンのボーナス割合は
住宅ローンの審査申し込みを行う金融機関それぞれに、細かい約款や指定があります。約款のなかで各機関は、住宅ローンのボーナス割合をどの程度まで認めるかという内容も明らかにしています。
一例としては「35年間でフラット35利用により住宅ローンの返済を審査通過した申込み者は、ボーナス割合を総返済額の40%未満とする」というケースあります。
●ボーナス割合が高いと住宅ローンはどうなる?
総返済額のうちで、例に挙げたようにボーナス割合を40%とした場合、残りの60%を月々の返済額に落とし込み、ボーナス月(年二回)払いにボーナス割合分を加算することになります。
この場合、月々の返済が少なくて済むというメリットが最も大きいでしょう。しかし、今働いている環境がこのまま変わらずに、ボーナスもきちんと支給されるということが前提です。
ボーナス支給でなくても、毎月の預貯金でボーナス払い分がカバーできれば問題ありませんが、預貯金でボーナス払い分を別立てにするメリットはほぼありません。
ボーナス月の住宅ローン支払総額は、月の支払額にボーナス割合分がプラスされます。仮にこの先ボーナスが減ったり、会社の給与制度が変わる(年俸制・契約制度になる)といった事があれば、ローン返済そのものが難しくなることも考えられますね。
できるかぎりボーナス割合は低めにして住宅ローンを組むのが理想でしょう。
【著 者 長 岡 利 和】