マイホームを購入した後に、忘れてはならないのが確定申告です。購入年の翌年3月15日が、前年の所得申告を行う確定申告の提出期限です。
サラリーマンであれば、勤務する企業で年末調整を行い、それで所得申告は事足りるのが通例です。自営で生計を立てている人にとっては、毎年行うことが当たり前となる確定申告も、サラリーマンにとっては初めてのことで、何をどうしたらいいのか分からず不安になるでしょう。
しかし、マイホーム購入年に当たる年だけは、確定申告が必要です。
〇なぜマイホームのローンを組んだら確定申告するのか
住宅を買うという決断は、誰しも簡単にできるものではありません。数十年かけて、自分の家の代金を支払い保有していくことは、かなりの出費(負担)になることは、容易に想像できるでしょう。大きな買い物を消費者が行えば、景気に活気もつきます。
住居購入をした人に対して、国が補助を行うという意味合いをもつ「住宅ローン特別控除」の対象になれば、税金の負担を一定額減らしてあげよう、というのがこの制度の趣旨です。
住宅ローンを返済する所得者が、支払うべき所得税(一部市町村税も条件下)を控除する対象かどうかを判断するために所得申告をする必要があるのです。
〇マイホームローンの特別控除の内容
住宅ローン特別控除は、毎年末のローン残高に対して1%に当たる税金を10年間にわたって、所得税から控除するという制度です。
一般住宅であれば、トータルで最大400万円まで所得税の還付を受けることができます。税金の還付を受ける手続きは、自発的に行わねばなりません。
住宅ローンの審査を受けて借り入れた人に対して、国から通知や案内が来ることはないので、忘れずに申告期限内に書類を管轄の税務署に提出するようにしましょう。
また、年収の上限規制があるので、一定収入以上になった年は還付を受けることが出来ません。この住宅ローンに対する特別控除は、時限法で繰り返されているので、年度によって変更することも考えられます。
ただ、マイホーム購入日(住宅ローン契約日)を基準としますので、購入後に制度が変わっても、契約時の制度が還付満了の年まで引き継がれます。混同しないように注意しましょう。
〇住宅ローン控除の申請は契約初年度のみ
10年間の還付期間がありますが、サラリーマンの確定申告による住宅ローン控除申請は、購入年の所得申告時一度だけです。その後9年間は、毎年企業を通して行う年末調整に加えて控除申請を行います。
自営業者は、例年の所得申告に合わせて、購入年から継続して10年間申請を行います。
【著 者 長 岡 利 和】