親族がいなくなるのは、とても寂しいものです。親や配偶者が亡くなる不幸によって、精神的につらいと感じることも多いでしょう。直後から、いろんな手続きや挨拶に追われ、気が付けば数か月立つのもあっという間に感じるほどだといいます。
しかし、そんな慌ただしく落ち着かない時期でも、必要となる申請は粛々と進めていかねばなりません。
被相続人が亡くなった直後には、お金の授受をするシーンが増えます。相続と聞いてイメージするのは、生前に被相続人が所有していた不動産や株券、預貯金といったところでしょうか。ただ、亡くなった後に入ったお金にも、相続税対象のものがあります。
正しい申告をして、修正など二度手間を起こしたり追徴課税の通知が来ることが無いように、あらかじめ知っておくべき税の内容をお知らせします。
〇相続税対象となる 身近なあれこれ
現役で会社勤めをしていたお父さんが、不運にも突発的に症状を引き起こして数日のうちに亡くなってしまった…というシーンをシミュレーションしましょう。
まず、亡くなった直後には、死亡保障を付けた生命保険への通知が必要です。連絡して死亡事由を伝えることで保険手続きを開始します。
●被相続人の死亡を機に受け取るみなし財産
相続財産とは、そもそも被相続人が生存している間に確定しそうなものというイメージをお持ちではありませんか。
生前に相続人同志の意思確認をすることは大切です。しかし、その意思確認を行う時点で不明瞭な相続財産があります。
みなし財産といわれる「死亡保険金」や「死亡退職金」です。保険金は、契約内容となる年齢やかけ続けることで、受け取る額が異なります。また、死亡退職金も同じく、生前の功労に対して支払われるものなので、実際に事前の話し合いを実現するのは難しいでしょう。
●結果の後付けとして相続財産に
相続人が生前の被相続人から、まとまった額の贈与を受け取っていたら、これは受贈財産と呼ばれて課税対象になります。生きている本人から受け取った財産がある場合、被相続人が亡くなる前3年もの期間にその事由が整っていれば、みなし相続財産となります。
すでにもらったものだから、被相続人が死亡した後に入金されたものだから、というような独りよがりの解釈をするのは危険です。専門家(税理士)に相談してみるといいでしょう。
みなし相続財産には、実際の相続を行う際に、直近3年で多額の援助を受けた人と贈与を受けていない人の相続分配バランスを保つ目的があります。不公平な相続にならないために、相続人皆がそろって事実を知っておくことが大事です。