雑多な雰囲気が先行する東京ですが、沿線から一歩路地を入れば、思いがけずほっこりとしてしまうような、ゆったりとした空間や緑多い景色を楽しめるポイントもあります。
繁華街を道なりに進む都会的な空気のすぐ
には、自然を堪能することができる通りや川、公園も多いもの。ゆったりした心でのんびり、また運動がてら颯爽と散歩を楽しんでみるのもいいでしょう。
今までは気づかなかった、新たな東京の楽しみかたを探してみませんか。
〇あこがれ街の代名詞 吉祥寺からスタートする散歩
吉祥寺といえば、おしゃれで落ち着いた生活にあこがれる人の理想的な街…住みたい街ランキングでは近年首位を奪われがちですが、それでも根強い人気が続いています。
この吉祥寺にある安らぎスポットとして有名なのが「井の頭恩賜公園」。中央線沿線の三鷹市と武蔵野市にまたがるこの公園は、春の花見スポットとしても全国的にも有名です。
●中央線吉祥寺をスタートして
JR中央線吉祥寺駅から10分程度（およそ500メートル）歩けば、井の頭公園に到着です。公園の入り口から井の頭池を目指しましょう。日本桜名所にも選ばれている七井橋を渡り、ゆったりと400メートルほど歩くと、井の頭弁財天に到着します。
その後5分ほど進めば、かつては滾々と湧き出す湧水ポイントとして人気があった御茶ノ水に着きます。歴史好きな方なら、この湧水を徳川家康が好んで茶をたてたことをご存知でしょう。
●公園を抜けて目に楽しい散歩コース
公園出口から公園通りに入り、さらに500メートルほど散歩して、中道通りまで足を延ばしてみましょう。小店や商店が並ぶ通りの先は、昭和通りに続いています。
その先にある大正通りにまで散歩を進めると、雰囲気ががらっと変わって北欧調の小物店や飲食店が並び、目に鮮やかな通りの間を、時間を忘れて歩くことができるでしょう。
それぞれの商店街は全長400メートルほどなので、通りを見渡しながら散歩するだけで1キロ以上もの距離をウォーキングしていることになります。
●吉祥寺の氏神様まで散歩してみましょう
目にも楽しい商店街散歩コースを抜けて、吉祥寺八幡宮を目指してみましょう。大正通りから五日市街道を横切り、およそ400メートルほどで到着します。
周辺にも、相称四軒寺と呼ばれている月窓寺、蓮乗寺、光仙寺、安養寺があります。各所100～200メートル程度の距離感で巡ることができるので、八幡宮を参拝したらぜひ合わせて巡礼してみてください。
落ち着きある雰囲気が人気の吉祥寺の良さを、商店街や公園、歴史的スポットを巡ることでさらに深めることができる散歩コース。いつもは中央線列車の窓から眺める景色を、身近で感じてみるのもいいものですよ。
【著 者 長 岡 利 和】
