「十年ひと昔」とはよく言ったものです。
学業入卒や結婚、仕事に家族の成長など、思えば十年を一つのくくりに考えると、変化がよく見て取れるでしょう。これまでの生活を振り返るタイミングともなる十年のくくり。
「そういえば新築当初は維持費なんてかからなかったのに…」と、マイホームメンテナンスが必要になってくるのもこのサイクルと同じです。
〇新品マイホームの状態を維持している期間に
マイホームを新築で購入した当初は、「維持費が掛かるっていうけど、全然気にならないな」と思いがちです。
新品で揃えられたマイホームを手直ししたり、修繕する必要がない間は、メンテナンスや管理に対する備えの気持ちも甘くなってしまうものです。
しかし、モノの耐久や老朽化は一気に押し寄せてきます。不具合が重なって出費に慌てる前に、マイホームが維持できている間にこそ、メンテナンス計画をしっかり練っておきましょう。
〇白物家電の耐久期間と外壁補修
冷蔵庫や掃除機、洗濯機など、生活に欠かせない白物家電を、マイホーム購入と一緒にそろえるという家庭もあるでしょう。
毎日のように使えば、その痛み具合も相当なものです。
一般的に、冷蔵庫などの大型白物家電が問題なく使用できる期間は10年程といわれています。そろそろ買い替えをしたほうが良いかな…と思っても、数十万円の出費を壊れる前に思い立つのは、なかなか覚悟が要りますよね。
家の基礎構造を守るバリア機能ともいえる外壁の傷みが顕著に表れ始めるのも同じ頃でしょう。ただ、壊れてから買い替えようか、ということができるのは家電製品のみ。傍目にはまだ修復の必要がなさそうに感じることもあるでしょうが、外壁は常に雨ざらしの状態。小さなひび割れや日焼けに始まり、あっという間に雨漏りやクラックが目立つようになります。外壁の傷み具合が気になったら、吹きなおしや張替えを早めに行ったほうが家を長持ちさせることができます。
〇先手でメンテナンスして維持費を安く
悪くなったら交換や修繕をするより、不具合を感じたらすぐに補修をしていくほうが、維持費を安く抑えられます。
使えなくなったり、どうしようもなくなるまで放置しておくと、すべてを取り換えなければならなくなったり、その建材を買い替える必要がでてくるからです。
例えば、マイホームのなかでも修繕費が高い屋根材は、定期的に補修を繰り返していくと、全部張替えするより低コストで収めやすくなりますよ。
マイホームの維持費は、住まい続ける期間を通算すると、数百万円単位となります。
ただ、その出費が一度に押し寄せないように、年単位で修繕計画を立ててこなしていくようにすると、まとまった維持費を一気に投じる不安も解消されるでしょう。
家をよりよく、快適に保つために、こまめな修繕を繰り返し行いましょう。
【著 者 長 岡 利 和】