新たにマイホームを購入した人は、家に必要な設備(電化製品やカーテン、照明器具など)や引っ越し費用、庭の外構費用など、一時的に出費が重なります。これも快適な生活のため…と思えば出費も前向きに思えますが、忘れてはいけないのが課税納付。
中でも、固定資産税は、土地や建物といった不動産を所有する限り、支払っていかねばならない税金です。
不動産取得税は一度きりの納付で終わりますが、毎年課税される固定資産税は、住宅ローンなどの支出と別だてで貯蓄をし、支払うための準備をしておくほうが良いでしょう。
〇固定資産税額のいろいろ
まず、「誰が」固定資産税を支払うか。
課税対象者は1月1日(賦課期限)時点での所有者です。
次に、「いくら」払うのか。
これは、市町村で管理している固定資産課税台帳を元に税率を乗じて決定します。
ちなみに、固定資産税は市町村税なので、居住区を管轄する役所から納税通知書が届きます。
●期の途中で購入した固定資産税は?
前述したように、賦課期限の所有者に対して課税されるのが固定資産税です。
ならば、あえて1月2日に住宅を購入、または新築住宅引き渡しを受ければその年は課税されないか?と思わないでしょうか。
道理の上では、年間の固定資産税課税の賦課期日を超えている物件は、課税されないということになります。
しかし、このような引き渡しは、「固定資産税を逃れるために、引き渡しの期日を延ばしたのでは?」と疑われても仕方ないですね。
実際には、年明けまもなくの土地建物についてはその年の固定資産税を課税徴収するという市町村もあるようです。
〇中古住宅を購入した時の固定資産税はどうなる?
新築住宅の場合、固定資産課税台帳には、所有者と所有を開始した日が新規に追加されるので問題は起こりにくいでしょう。
ただ、中古住宅を期の途中で購入した場合には疑問が残りますね。
年間の固定資産税が基準日の所有のみで決定するので、売却したのちに住まなくなった前所有者が、住んでいない間の税金支払うことに…実際はならないケースがほとんどです。
●期中の売買で購入者と固定資産税を按分
中古住宅を購入した人は、その売買契約を行う際に、売主に納付義務がある固定資産税の年間の納付額を確認して割合を算出し、その割合を納付額に乗じて代金と合わせて支払う(契約書に額と文言を記載する)というのが一般的です。
納付期限を記した納税通知書は、1月1日時点の所有者あてに送付します。
仮に売却したあとであっても、その年の納税義務者は売主。ならば、売却した物件の税金負担分を売主に預け、代わりに納付してもらうというやり方が、余計な手続きを要さず、売主・買主ともにわかりやすいでしょう。
市町村税は、国税と比べて住まいの管理が身近なためか、延滞税の連絡等がすぐ届きます。
期限内に納付をしなかった場合、延滞税が付されるので注意しておきましょう。
【著 者 長 岡 利 和】