住宅ローンの月々返済額をどう決める?ボーナス併用の是非

「住宅費」は、家計の中で毎月コンスタントに発生する固定費用です。
収入の増減にかかわらず、住宅に掛かる費用は月々決まった額を支払い(または引き落とされ)ますよね。
給料に変動が起こりにくい給与体系のサラリーマンは問題ありませんが、出来高や歩合給与の人にとっては、固定費の捻出はできるだけ減らしておく方がやりくりも楽になります。
ただ、額面が大きいローンの月額払いを減らすために、ボーナスを併用する場合は注意が必要です。

〇住宅ローンの支払額と返済方法
賃貸物件は、契約した家賃を不動産会社か大家(貸主)に支払う以外にかかる住宅費はありません。
しかし、住宅を購入してローン契約を結んだ場合の話は別です。

●ローン返済総額と住宅本体価格のミスマッチ
ローンの月返済額は、審査・契約時に借主が設定をします。
その際、全体の融資額に基づいて金利を上乗せし、場合によっては保証料が更に加わります。
そこで、返済回数(ローン償還期間)で按分すると、返済額が「家賃で生活していた頃よりずっと割高」だと感じる人も多いようです。
「家賃と同じくらいの返済額で購入することができる物件」というキャッチコピーで売り出す不動産も増えていますが、ローン金利や保証料、団信や登記費用を考慮せずに、本体価格から繰り戻して割り算をしてしまう人が実際に多いのです。

●月の割賦払いと併用してボーナス払いも可能
車や白物家電など、出費が大きくなるものの購入をする場合に、ボーナス月の返済増額をしてローンを組んだ経験をした人もいるでしょう。
借入れ総額の全体に対するボーナス併用可能な割合が契約で決まっていますが、住宅ローンのボーナスを併用することもできます。
臨時収入のあるタイミングに合わせて返済額をあらかじめコントロールすることができる点では、出費の見通しも立ちやすく、備えが別段必要とならないメリットがあります。

〇住宅の月返済をボーナス併用でクリアする考え方は
固定費となる月の返済額は、ボーナス併用ローンを組むことで抑えることもできます。
しかし、安直にボーナス月の増額を併用するのはあまりおすすめしません。
なぜなら、ボーナスは月の給与と違い、業績や時世によって増減する可能性が非常に高いからです。
給与が減ると聞かされると、社員はきっと躍起になるでしょう。
しかし、業績や実績が良くなければ、ボーナスカットといわれた時にどこか納得してしまいますね。

●不確定な収入に頼らない住宅ローンがベスト
固定費を流動的な収入に頼ると、ボーナスが少ない(カット)時は預貯金を切り崩して支払わねばなりません。
また、金利の変動があったときには、住宅ローンの月々返済額そのものも変わるということを、あらかじめしっかりと意識しておきましょう。
月のやりくりで賄うことができるローン返済額でもって、借入れをするのがベストです。試算して返済月額にちょっとでも不安を感じたら、本体に投じる予算そのものを見直すくらいに慎重でいるほうが、後の生活に困窮せずに済むでしょう。

【著  者   長 岡  利 和】


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