住宅ローン控除だけじゃない 節約効果大のふるさと納税

自営業の方にとっては恒例行事(いや一年の節目もしくは関所)となる、確定申告の時期が終わりました。毎年の事とはいえ、一年分の売り上げと収入、所得を申告するのは骨が折れる作業です。
確定申告は、事業を行っている人だけに関係するものではありません。一年の所得を正しく申告するために必要な手続きですので、副収入がある人は、後に税務署や所得を管轄する自治体から追徴を受けないように、キチンと申告する必要があります。
しかし、税金を徴収されるためだけが目的の手続きでもありません。医療費・住宅ローンなどの控除申告をもれなく行えば、翌年の所得税や市県民税を減らすことができるかもしれないのです。
加えて、近年注目を集めているのが「ふるさと納税」。いろんな手段を上手く活用すれば、お得に節税することができるかもしれません。

〇住宅ローン控除申告は一度だけ
住居を購入し、住宅ローンの審査を受けて融資実行された人は、購入した翌年の3月15日期限となる確定申告時に申告を行います。
これまで確定申告を経験したことが無いサラリーマンにとっては、非常にハードルが高く難しいものだと感じるかも知れません。
しかし、年間給与の証明となる源泉徴収票と、融資を受けた金融機関から発行される残高証明書、2年目以降に住宅ローン控除を受けるための、就労先に提出する専用の用紙が手元にあれば、なんら難しいことはありません。
住宅ローン控除を受ける為には、まず購入年に確定申告をし、翌年以降は、企業の年末調整に合わせて専用用紙と残高証明を、他の生命保険料控除証明と同様に提出するだけです。
初年度の確定申告を簡単に解説している書籍も多く出版されています。国税庁ホームページのガイダンスに従って、所定の場所に必要書類を見ながら入力していくだけで簡単に完結することができます。

〇もらってうれしい 賢く節税 ふるさと納税 
ふるさと納税といえば、指定の寄付を特定の市町村宛に行えば、その地の特産物や名産品、目玉特典など、寄付した額以上の価値ある品が手に入るという点で注目を集めました。
おまけに、確定申告を行えば寄付金控除が受けられるという二重の特典を受けられるというもの。商品を受け取ってさらに節税にもなるというのは、一般消費者としては大きな魅力です。

●ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用すると
平成27年以前は、ふるさと納税=寄附とし申告を行わねばなりませんでした。しかし、その利用者が多いことと、処理の手間を軽減するための措置として、確定申告も不要にすることができる「ワンストップ特例制度」が始まりました。
これは、確定申告を行わないサラリーマンが、寄附を行う時に、寄附先の都道府県または市区町村が寄附者に代わって、課税される市区町村に対して寄附控除申請してほしいと要請できるというもの。
この制度を利用すると、特例が適用された場合には、寄附にかかる所得税と住民税の寄附金控除額合計の5分の2を道府県民税から、5分の3を市民税から控除することも可能です。
特例制度利用にあたっては、諸所のチェックや寄附団体数の縛り、所得と控除対象人数などに制限があります。
年度がかわるタイミングで制度も変更になる場合がありますので、毎年の税制変更や改正を見落とさないようにしましょう。

【著  者   長 岡  利 和】


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