新築マンションを購入する人は、その寿命についてさほど注意することはないでしょうが、中古マンションの購入を考える場合には、建てられてからどのくらいの年数が経っているかというのは、その物件の善し悪しを決める大きな要因になります。
では、中古マンションの寿命をどのように判断したらいいか、注目すべきポイントについて検証してみます。
○一般的に言われているマンション寿命とは
マンションに限った話ではないかもしれませんが、マンション建築に用いられる鉄筋コンクリート造の建物は、一般的に65年ほどの耐久性があるとされています。しかし、この一般論も適切に施工されて、なおかつ定期的な修繕を行った場合です。この要素のどちらかでもかけてしまうと、建物の寿命を大きく縮めてしまいかねません。
●築浅年数の物件でもメンテナンスが必要
建設完了してから間もなくの物件だから、さほど大きなダメージは無いだろうしメンテナンスなんて必要ない、と修繕を軽んじている管理体制の物件は、後に起こる不具合に不安が残ります。少々古い物件であっても、メンテナンスに気を配っているマンションのほうが長持ちすると言っても過言ではありません。
●メンテナンス状況を確認するには
気に入った中古マンション物件に対して、どの程度の管理やメンテナンスが行われているかという情報は、仲介会社やマンションを管理している管理会社、管理員に尋ねると分かります。これまでの修繕箇所や、これから行われる予定のメンテナンスに関する情報を調べておきましょう。
少々面倒に感じるかもしれませんが、実際に多くの人が住まうような大建築物が、これまでどのように管理されてきたか不明なままでは、購入後に安心安全な生活を送れなくなってしまう可能性すらあるのです。
○公的機関の調査システムを利用してみる
住みたいと思う物件の条件をクリアしているマンションを見つけ、現状を把握しようと思っても、不動産会社を訪ねて自分の目で確認するのが精いっぱいでしょう。チェックしたいことが不明確なまま、また詳しい状態を漏れなくチェックできず、住まい始めてから不都合を見つけるという人も少なくありません。
●リ・ユースマンション適合物件かを調べよう
マンションの建物が良好な状態を保っているか、寿命はまだまだ先と見て問題ないかを、専門的な目線とチェックで判断することができます。それが「リ・ユースマンション」融資制度に基づく調査です。これは、購入対象の中古マンションが、住宅金融公庫の融資可能な物件かどうかを確認し、申請することで実際に公庫から融資を受けることができるというものです。融資を受ける前の建物評価を、資格保有者が行います。
●リ・ユースマンション適合となれば
02年からスタートしているこの住宅金融公庫の制度は、外壁のヒビや鉄筋の露出、排水管の詰まりなどのハード面に加えて、修繕積立金や管理規約など管理のソフト面についても調査対象となっています。
融資が受けられる程の物件だと立証できれば、そこに住んでいる人の管理意識もうかがい知ることができますし、何より安心です。
まとめ
建設途中や管理体制が確認できない中古マンションの購入に、不安を感じる人もいるでしょう。しかし、実情は築年数からだけでは判断できません。実際のマンション寿命は、メンテナンスをしっかり行っている物件か否かによって、おおきく変わります。マンションに安心して住むことができるように、ハード(建物の状態)とソフト(修繕積立や管理規約)を併せて調べておきましょう。
著者:長岡利和