坪単価を抑えて快適な住まいを手に入れる

住宅購入の際に、その価格の一つの目安となるのが「坪単価」です。建築延べ床面積を元に、建物の本体価格で除した数値のことですが、延べ床面積をおよそ3.3㎡の坪単位に置き換えて計算することからこのように呼ばれています。
畳何畳分か?という言葉でその意味を理解するほど、日本人にとって坪単位と畳計算は非常になじみが深いものです。一坪は畳およそ2枚分で、部屋の広さや空間把握をする際は、坪と畳で数値化したものを今でも多用しています。

○住宅の価値を知る目安にもなる「坪単価」

狭い家で高額な住宅を建てた場合は、当然に坪単価が高くなることは想像できます。住宅の価格が高騰する要因は様々ですが、その家にどの程度の価値を付加しているかという一つの目安になると言えるでしょう。
設備にかかる費用が多くなったか、または、自由なプランを実現する為に設計士にオリジナル住宅を依頼して製図してもらうか、デザイン性の高い住宅にあこがれて思いを形にするためのプランニングを依頼したか・・・など、価格に反映されるサービスや技術、実際の建具の選別によって、見た目以上に価格が高いと感じる住宅もあるかもしれません。
しかし、賢く住宅を建てたいと思う人の大多数は「見た目以上の価値を感じ、想定以下の価格で家をもつ」という思いが強いのではないでしょうか。

○坪単価を下げて価値ある家づくりを

新築一戸建てを考える時も、中古物件を購入してリフォームする場合も、コストをより低くして価値ある住まいを作る方法は一緒です。プランニングの段階では、「間仕切りの少ないオープンな間取り」で「シンプルな形と構造」をもとに、「メンテナンスを考えた採光と通風」を考えた住宅にすれば、建具や付随工事を大幅にカットすることができ、住み始めた後もランニングコストを抑えることができます。
内装プランを立てる際も、飽きがこず長持ちする素材を選び、古くなっても味わいを感じさせる自然素材のものを選び、経年変化を視野に入れるとよいでしょう。
水周りの設備は、耐用年数が他より短くメンテナンスが非常に重要になります。女性は特にキッチンへのこだわりと動線の確保が気になる点でしょうが、廊下を出来るだけ無くし、水周りは一か所に集中させたほうが、排水配線等の施工費を安く抑えることができます。キッチンにはこだわりの設備を充実させたいところ。しかし、汎用製品を使うほうがメンテナンス時に対応しやすく、取り換えや修理の心配もありません。オリジナルで制作すると、不具合が起こった時の対処が一般メーカーや修理業者では難しくなります。なによりオリジナリティを追求すると、その分坪単価に影響することを覚えておきましょう。
基礎工事部分や躯体は価格云々では計れません。見えない部分ではありますが、安心と安全を買うつもりで手抜きのないように投資すべきでしょう。建具や内装具は、実に多種多様です。上手にセレクトしてランニングコストも視野に入れた選択をすると、賢い家づくりが実現できるでしょう。

【著者  長 岡  利 和】


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