どれほどの建築物が建てられるか?建築面積と用途地域と関係

住宅の取得をお考えの方、また中古物件や建売住宅の購入を検討している方にとって、居住する家の大きさは最も注目するべき点でしょう。
広ければ広いに越したことは無い・・・と、面積の広い住宅を建てるために広大な敷地を準備しておこう、などという風に、土地と建物の面積に関する事柄を考え検討するタイミングは非常に多くなります。
どのくらいの広さや大きさの住宅を建てることができるかは、その土地の用途地域制限に依るところが非常に大きいです。土地の選別を誤ると、「思っていたほど大きな家ではなかった」「イメージしていたよりも狭かった」という勘違いの元になりかねません。

○建築面積とは

建築面積は、外壁または柱の中心線で囲んだ部分の水平投影面積を表します。もし、二階までの吹き抜けがある住宅でも、床が無いからという理由で建築面積に関わらないという事にはなりません。屋根がかかっている部分は全て建築面積に含まれるので注意が必要です。

○用途地域とは

ある都市の一区画の中に、住宅や工場、学校や商業施設が乱立して、その地域の開発を混乱させないように、有る一定のルールに沿って建てられる建築物の種類と面積の割合を決めている開発地域のことを指します。
用途地域は、「これから先にその地域をどのような目的建造物を中心に開発するか」という指標で、土地計画法によって定められています。

●工業専用地域以外なら住宅は建つ

基本的に、居住の用に供する建物は、用途地域の「工業専用地域以外」の場所であれば建てることができます。大きく住宅系・商業系・工業系の三種に用途地域は分けられており、その中でも住宅系は、高さ制限や他の建築物との共存可否によって、住宅専用地域とそれ以外に分けられます。

●12区分の用途地域

住宅専用地域は、住居を建築する為の環境をおおむね良好にするために、制限や規制を伴わせています。建物の高さや面積に対して主に制限が及ぶため、建てたい住宅の広さや階数にこだわりがある人は、実際に建築可能かどうかを調べたうえで、土地探しを進めるようにしましょう。一般的に、住宅専用地域の建蔽率は60パーセントなので、100坪面積のある土地には最大60平方メートル(平屋)の住宅を建てることができるという単純計算になります。(その他角地や北側制限など、建築可能面積に掛かる条件は多々ありますので、専門家にきちんと相談しましょう)
商業系地域(近隣商業地域・商業地域)は、一戸建てやマンションの周囲に、大型スーパーやレジャー施設などが併設されることも可とする地域です。建築目的に対しての縛りや規制が緩やかなので、人が集う環境の中での生活にストレスを感じない・便利さを追求する人にとっては、商業系地域内のマンションなどにあこがれるという人もいるでしょう。ただし、極端な話では「中古住宅購入を決めた物件のとなりがリゾートホテルと地図に書かれていて、現地を見学したらラブホテルだった」などという事も起こり得ます。

中古住宅を購入する、新築する為の土地を探す、という目的で様々な物件を見学する時は、まずその住宅や土地がどの用途地域に属しているかに注視しましょう。

【著 者  長 岡  利 和】


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