住宅購入は、人生の中でそうそう有ることではありません。だからこそ、住宅選びに悩み、憧れを形にしたいという思いを募らせながら、予算と返済計画を綿密に考えねばなりません。
自分は大丈夫だと思っていても、購入する住宅の広さや頭金、月々の返済金額について、どこか不安に感じながら見切り発車する人も少なくありません。
様々な平均値を知っておくことで、憧れの住宅と資金計画を現実的に考える一つの指標となります。
ここでは「住宅金融支援機構 2014年住宅購入関連の平均値に関するデータ」を元に、さまざまな平均値を紹介します。
○首都圏の購入住宅にまつわる平均値
●首都圏住宅購入地年齢と家族構成
以下、住宅種別・年齢・家族数の平均を表します。
新築マンション・・・41.5歳、3.2人 中古マンション・・・41.2歳、2.6人
土地なし注文住宅・・・44.5歳、3.8人 土地付き注文住宅・・・38.9歳、3.4人
建て売り住宅・・・39.2歳、3.2人 中古戸建て・・・41.4歳、3.2人
●首都圏購入住宅の広さ
以下、住宅種別・住宅面積・敷地面積の平均を表します。なおマンションは敷地に専有面積が無いためいずれも0.0平方メートルで表記。
新築マンション・・・70.0㎡、(0.0㎡) 中古マンション・・・67.4㎡、(0.0㎡)
土地なし注文住宅・・・127.5㎡、171.3㎡ 土地付き注文住宅・・・106.4㎡、135.6㎡
建て売り住宅・・・96.9㎡、112.2㎡ 中古戸建て・・・105.4㎡、123.9㎡
○首都圏住宅購入時の年収と住宅費用にまつわる平均値
●首都圏世帯年収と年収倍率、住宅関連費用総額
以下、住宅種別・年収倍率・世帯年収に対する借入額倍率・住宅費用総額を表します。なお、年収倍率は「物件価格/平均年収」とします。
新築マンション・・・6.2倍、4.2倍、4379万円
中古マンション・・・6.7倍、4.2倍、2889万円
土地なし注文住宅・・・6.2倍、3.9倍、3328万円
土地付き注文住宅・・・7.0倍、5.2倍、4396万円
建て売り住宅・・・6.4倍、4.8倍、3545万円
中古戸建て・・・5.4倍、4.0倍、2762万円
●首都圏の住宅ローン返済額と返済負担率
以下、種別・毎月の返済額・返済負担率を表します。
新築マンション・・・12.3万円、21.6% 中古マンション・・・8.6万円、18.6%
土地なし注文住宅・・・9.6万円、20.3% 土地付き注文住宅・・・12.8万円、24.2%
建て売り住宅・・・10.3万円、22.1% 中古戸建て・・・8.4万円、19.4%
まとめ
首都圏近郊での様々な数字を紹介しましたが、購入年齢は平均40歳前後で、一般的に言われる「年収600万になる30代前半」よりも高い年齢となりました。
中古マンションは家族構成が2.6人で、子ども一人家族、新婚またはディンク、セミリタイア夫婦のみで構成する生活スタイル、おひとり様のマンション購入が想像できます。
新築マンションと土地付き注文住宅の平均年収との比較をすると、購入金額はともに同等ですが、新築マンション購入者のほうが年収が高め(年収倍率)で、土地付き注文住宅は借入金額が年収の5倍を超えていることから、人生をかけた一大決心をして家を建てて守る覚悟を感じます。
中古住宅や中古マンションは、いずれも購入金額が2000万円代後半、返済負担額も18~19パーセントという数字となり、お得に購入して余裕をもった生活スタイルを選択した家族が想定されます。
平均の数値をみると、住宅種別ごとに家族の現状や考え、理想が垣間見えます。ご自身の生活スタイルに合った平均を参考にしてみてください。
【著 者 長 岡 利 和】