マイホームの購入を検討し、資金計画を実行に移したら、購入金の借入をした金融機関から渡される「住宅ローン控除申請用紙」の束はきちんと無くさずに保管しておきましょう。また、年末にかけて金融機関から送付される「残高証明」も、年末調整時に住宅ローン減税の申請を行うのに必要な書面となります。
とはいえ、購入初年度は、住宅ローン控除の適用を受けるために、住宅を取得して居住の用に供した年の所得税について、確定申告が必要です。
会社勤めをしている人は、二年目以降確定申告の必要はありません。(年末調整で事足ります)
○確定申告のために必要なものは
給与所得者にとって、確定申告は謎だらけの未知な手続きでしょう。医療費が高額になった人や、自営業者などはなじみがあるかも知れませんが、普段会社勤めをしている人にとっては、確定申告が初めてという人も少なくありません。
まず、確定申告とは、基本的には前年末日までの所得税の額を算定するために、翌年の1月~3月中旬にかけて居住地管轄の税務署に対して提出する申告書です。
必要書類の中には、自分で手に入れなければならないものがあります。
●確定申告書A様式
確定申告を行う人が、その申請のために使用する専用の書式です。各税務署に行けば誰でももらえますが、気のきく住宅建築会社の営業担当者であれば、時期をみてこの書類を届けてくれるという場合もあります。
配布されている用紙では手書きをしなければなりませんが、国税庁の公式サイトからダウンロードして入力し、プリントアウトして申請することもできます。(白黒印刷でも問題ありません)
この書式を税務署に提出することで、払いすぎた税金の還付を受けることになります。年収や年末調整ですでに処理済みの所得控除額、源泉徴収税額などを転記して申請します。
●住宅借入金等特別控除額の計算明細書
この書式も、税務署で配布または公式サイトからダウンロードして提出します。
この計算明細書では、土地建物の購入費用のほかに、居住し始めた年月日や年末時点でのローン残高の情報をまとめて記載することになります。
●不動産登記簿謄本
法務局で、購入した自宅の土地と建物の登記簿謄本申請をすることで取得可能です。
登記簿には、土地建物の所有者(割合)や大きさが記載されています。夫婦共有名義で取得した場合や、ローンの名義などをチェックするとともに、住宅ローン減税の適用条件である「床面積50平方メートル以上」の住宅かどうかを確認します。
●住民票
市町村窓口、または自動発行機で住民票を取得します。現住所を購入した住宅に変えておかねば、(前の住所のままでは)意味がありません。ここで確認するべきは、いつから居住を始めたかという事です。
購入してから半年以内にその住宅に住み始めて、引き続き年末まで住んでいることが住宅ローン減税の適用条件ですので、ローン実行日や引き渡し日、居住開始日は重要な日付になります。また、代金の支払いはいつで、どこから、どのように行ったかという流れは、取りまとめて把握しておきましょう。
住宅ローン減税は、初年度のみ自身で確定申告をすることが必要となります。ただし、二年目以降は、勤務先の年末調整の際に必要書類を付けて申告することで完了できます。後に10年間控除を受けるため、難しいと感じるかもしれませんが、確定申告を完了させましょう。
【著 者 長 岡 利 和】