固定資産税が減税される長期優良住宅の要件と基準

上手に節税しながら、よりよい住まいを手に入れたいという願いは、住宅購入を考える人にとって正に理想です。
その理想を形にするために、選びたいのが「長期優良住宅」です。
新築または中古住宅を購入する際には、さまざまな減税措置が法律で定められていますが、ここでは固定資産税の減税対象となる住宅に着目して、住宅にまつわる条件を考えてみます。

○新築住宅の税額減額措置について

新築住宅を購入した際は、3年間(マンションの場合は5年間)は税額を2分の1に減額されます。
一般的に、どの新築住宅にも適応される税制措置ですが、長期優良住宅の認定を受けた場合、平成30年の3月までに取得した不動産であれば、戸建3年間が5年間に延長され、マンション5年間が7年間に同じく延長されます。
通常は、固定資産税額を「固定資産税評価額×1.4パーセント」として計算します。料率については、固定資産税が市町村税に当たるため、各市町村で定めた数字に沿って乗じることになりますが、多くの場合1.4パーセント前後で大きく料率が異なる市町村は現時点でありません。

○長期優良住宅の特例が認められる要件

長期優良住宅は、簡単に説明するならば「長く使えて環境によく、丈夫で高齢者も快適に住まう事ができる家」と言えるでしょう。
平成21年6月に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に沿って、細かく様々な要件が附されています。
後に平成28年2月から「同法施行規則」と「長期使用構造等とするための措置および維持保全の方法の基準」を改正して公布されています。

●認定基準

長期優良住宅の認定を受けるためには、基準に沿った建物が完成していることが条件となります。
そして、各減税措置を受けるためには、専門業者に認定を受ける必要があります。この認定を受けていなければ、同等の条件をクリアしていても減税を受けることができません。
着目したいのは、時代の流れと必要性に沿って必要とされている住宅の細部が制度化されていることです。
良好な居住水準を満たすために、面積は二人世帯が一般的に必要規模とする水準で、一戸建てでは75㎡以上、共同住宅では55㎡以上であり、且つ少なくとも1階部分の床面積は40㎡以上とすることが明示されています。
長期に活用する住宅のメンテナンスを見据えて、定期的な点検や補修等について計画を策定することも、要件となっています。また、躯体と比較して耐用年数が短い部分(内装や設備)は、維持管理を容易に行えるように措置を講じることもあげられています。
昨今の住居に対する地震被害も問題視されるため、耐震性には殊に厳しい条件が付されています。地震の耐力を、建築基準法レベルの1.25倍の地震力にも耐えうるものとしている要件は、最新の地震に有効な躯体や構造でもって建築するべき条件とも言えます。

厳しい認定基準をクリアして、長期優良住宅と認められれば、固定資産税に限らず、住宅ローンや登録免許税、印紙税など様々な税金でも減税対象となります。
長らく住まう家だからこそ、丈夫で安心長持ちする城に仕上げたいですね。

【著 者   長 岡  利 和】


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