新築住宅の玄関仕様 使いやすさと入りやすさ

玄関はその住宅の顔ともいえる大切な箇所です。毎日家族が出入りし、来客を一番にもてなす場所でもあります。
玄関の使い勝手は、居住空間ほど重要視されませんが、外と家の動線をつなぐ大切な場所です。家選びをする時には、玄関にも注目してその使い勝手を想像してみましょう。

○新築する時の注意 玄関の向き

建て売り住宅を選ぶ時、また敷地にどの向きで住宅を建てようかと考える時の選び方として、部屋の間取りと日当たりの良さを考察するという方法があります。
もちろん、家の中を自然光で明るく保ち、過ごしやすく配慮することが最も大切ではありますが、家の向きを決定するときに、玄関の向きも慎重に検討しましょう。
表の通りから見えやすくて近いところに玄関があると、住宅に入りやすい半面、開け閉めする時に通りから家が丸見えになってしまいます。
敷地の奥まった場所に家を新築すると、アプローチを広めにとり、駐車スペースも広く確保できますが、玄関までが遠く入りづらい印象を与えます。また玄関手前に車や壁が多くなるため、防犯上の心配も発生します。
注文住宅で新築依頼をするなら、玄関にもある程度自由度がありますが、メーカーのプランを採用する場合、間取りの良さと玄関の向き、建築する方向を合わせて検討するようにしましょう。一部躯体と構造によってはプランを反転させて建築することも可能になる場合がありますので、依頼する建築会社やメーカーに相談するとよいでしょう。

○土間部の広さと収納

玄関がすっきりしていると、その家が清潔に保たれて掃除が行き届いている印象を与えます。しかし、外へ出る時または家に入る時の靴の脱ぎ履きをすることを考えると、最も汚れやすく散らかりやすい場所です。
特に土間部は土やホコリが溜まりやすいので、タイルやコンクリート等、毎日掃除をしやすい床材を選ぶのが一般的です。また、下駄箱と収納部分が備え付けられている新築住宅も多くありますが、その収納で十分家族の履物が入るか、出し入れのし安さはどうか、などもあわせて確認しておきましょう。
土間部と居住スペースのあいだを仕切る「あがりかまち」に高さがあると、特に子供や高齢者の移動がしづらくなります。反対にバリアフリー設計をしている新築住宅は、玄関土間部と居住空間がフラットな場合もあります。それぞれ一長一短ですが、きれいに保ちながらすっきりと見せる玄関にするには、住まう家族の人数なども考慮して、高さを解消する踏み板や床材分けをして、上手に区切る方法を探ってみましょう。

○空き巣を寄せ付けない配慮を

玄関はお客様と家族の出入り口ですが、空き巣に狙われにくい玄関を作るという点も忘れてはいけません。
玄関ドアの施錠タイプにも、防犯上効果があると言われるものが増えてきました。二重ロックのついたディンプルキータイプは、みただけで空き巣が嫌うと言われるほど、ピッキングをしにくい鍵です。ただ鍵を無くしてしまうとスペアキーが作れないという難点もありますので、取り扱いには注意が必要です。
毎日の出入りをスムーズにするための、電子錠も人気があります。カードタイプで持っていればロック解除がボタンで可能な商品や、暗証番号認証タイプのものもありますので、家族と相談の上選ぶと良いでしょう。

玄関は家と外をつなぐ大切な場所です。気持ち良く家族と来客を迎え入れ、かつ防犯性の高い玄関づくりを心掛けましょう。

【著 者  高 岡  利 和】


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