オール電化のメリット 光熱費削減+減税でお得に

住宅を新築またはリフォームする時に、住宅内設備を選ぶ目安となるのが、その性能と費用のバランスです。
特に、毎日使用する水周りやキッチン、照明等の生活光熱費をできれば安全に使用して、お得に節約できるものを選びたいですね。
そこで、オール電化システムについて考えてみます。

○オール電化と深夜電力

オール電化は、IHクッキングヒーターや冷暖房、照明など住居内の全ての設備を電力で賄うシステムです。プロパンや都市ガスと併用する住宅がかつて一般的でしたが、オール電化システムが普及するほどに安価で設置できるようになったこと、また火を家の中に持ち込まないため火災の心配がない等のメリットが広く受け入れられて、急速に普及してきました。
オール電化のシステムを導入した住宅には、導入していない住宅以上の電力を必要とします。また、エコキュートなど深夜電力を使ってお得にお湯を沸かして貯めておく設備を設置するのが一般的です。
深夜電力は日中電力よりも安いワット単価で使用することができ、また2016年4月には電力自由化がスタートしたこともあって、料金体系はこれまでの電力会社が提示するもの以上に安いプランも登場しています。

○オール電化と太陽光発電

電気代のみで、住居内全てのライフラインをまかなうため、ガス代がかからないのはもちろんですが、一戸建てならば太陽光発電システムを一緒に導入することをお勧めします。
屋根やカーポートに太陽光パネルを載せ、自家発電を行い余剰電力は電力会社が買い取ってくれます。
太陽が昇っている時間帯の電気は、太陽光発電で消費をしながら余った電力を買い取りしてもらえるため、天気が良ければ日中の光熱費はほぼ0円です。自家消費以上の電力は、毎月各契約電力会社から指定口座に振り込まれます。
別途、発電システムの購入代金と深夜帯に使用する電力量は発生しますが、買い取り電力代で補てんできるので、光熱費がグッと安くなるのが最大のメリットです。

○リフォームで省エネ改修を行うと減税も

中古住宅に、省エネ改修工事を行った場合には、所得税の減税制度が利用できます。「省エネ改修工事の投資型減税」として、平成31年6月末日まで実施されることが決定しています。
まとまった改修工事費になるので、ローンを組む人も多いですが、この減税は住宅ローンの借入有無に関係せず、工事を行って申請をした全ての人に適用されます。

○省エネ改修工事減税の内容

住宅の対価額または、費用額に含まれる消費税等の税率が8または10パーセントの場合、
省エネ改修では控除限度250万円、省エネ改修と合わせて太陽光発電設備を設置した場合は350万円を限度として、その10パーセントを一年間所得税から控除します。
最大で25~35万円の所得税減税となります。

○まとめ

オール電化の最大メリットは、「深夜電力を使って光熱費を抑えられる」ことに尽きます。合わせて太陽光発電システムを導入すると、更に電力会社から余剰電力を買い取ってもらえて、日中の電気代も大幅にカットすることができます。
リフォームを行って減税を受けることも可能です。住まい方や生活スタイルに合わせてオール電化を上手に活用しましょう。

【著 者   長 岡  利 和】


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