新築住宅に対する補助金活用

国では様々な住宅に対する補助金制度があります。最近では、空き家問題など住宅にまつわる様々な問題やトラブルがニュースになることが多いですが、これから新築する建物は「長く住まえる丈夫な家」「環境にやさし家」の2点が焦点となっています。消費税増税の先送りもありますが、これから数年間は増税負担を軽減する目的の補助金に加えて、先の将来を見越した長期優良住宅を実現する為の補助金も、あわせて検討していく必要があります。

○増税に掛かる経過措置補助金

消費税が8パーセントから10パーセントに増税されるという法案可決は、住宅購入を考えている人にとっては大きなきっかけになったでしょう。実際には、法案の施行が先送りされましたが、数千万単位での買い物になる新築購入のシーンで、2パーセントの増税は見逃せません。当初の増税計画とは異なっていますが、29年4月に増税が10パーセントに引きあげられるという前提で導入された「住まい給付金」は、平成31年10月まで再延期される可能性が出ています。この補助金は、増税の半年前を指定日として、それ以前に工事の請負契約を締結したものについては、引き渡し日が増税後でも増税前の税率が適用されるというものです。住宅の購入をした一定の年収以下の人が負担を軽減する目的で給付金を支給されます。年収に応じて税率8パーセント時は3段階(最大値年収510万円以下)、10パーセント導入時は5段階(最大値年収775万円以下)に補助金額を分けて設定しており、年収の低い人ほど多くの補助金が受け取れるようになっています。

○環境と長寿に配慮した住宅への補助金

昨年度からの継続予算補助金となるのが、「地域型住宅グリーン化事業」です。ポイントとなるのは、長寿命型・高度省エネ型(認定低酸素住宅・性能向上計画認定住宅・ゼロエネルギー住宅)というキーワードです。新築物件を取り扱う施工業者を通じて給付金の申請を行うので、これらに適応する設備を扱っているかどうかを確認して、積極的に住居建具や設備を新築住宅に取り入れましょう。

○効率化エネルギーを取り入れる住宅への補助金

電力販売自由化など、住宅に関わるエネルギーのあり方について規制緩和が始まりました。これまで、省エネ設計の家に対する補助金は、設備や住居の仕組みを対象とするものが多くありましたが、家庭用燃料への補助もありますので合わせて導入を検討してみましょう。家庭用燃料電池システム「エネファーム」を住宅に設置する、またはリース等で提供する人に対して購入費用を一部国が補助してくれます。26年の給付金新設当初は。新築住宅で一台につき最大35万円の補助が得られましたが、導入件数実績も増えたことと、エネファームの機器そのものの性能が上がりながらも価格が安定してきたことを受け、28年度補助金額は最大で1台に付き19万円となっています。これは「6年間以上使用を継続する」という条件付き補助となっているので、住まい始めてからも経過年数をきちんと把握しておく必要があります。長期にわたり、快適な住まいを実現できる住宅とみとめられるものに支給される補助金の内容は、毎年度ごとに見直されて変わります。適用年度とその条件を確認して、長く住まえる新築住宅を手に入れましょう。

【著  者   長 岡  利 和】


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