マイホーム購入時に考えたい維持費のあれこれ

念願のマイホームを購入・・・まずは引っ越しをするための費用がかかり、住宅ローン支払い開始と税金、外溝費用にご近所への挨拶など、購入当時には目に見えないお金も含めて、細かなお金がかさみます。マイホームを建ててから、普段の生活が整うまでに掛かる費用はざっと計算できそうなものですが、住まい始めてから必要になる維持費についてもきちんと考えておきましょう。

○築10年が一つの区切り

新築の住宅を購入した場合は、全てが新品で何不自由なく生活ができる期間が長くなりますが、中古住宅を購入した場合は、まずその築年数からメンテナンスが必要な場所を確認しておくことが大切です。まず、住居の中でも毎日の使用頻度が高い水周り、特にキッチンとお風呂場は経年数とともに老朽化が進みます。キッチンでは、排水溝のパイプやホーローの傷み、備え付けの乾燥器や食器洗浄機、ガスコンロ(IHヒーター)、換気扇など、設備の老朽化もあわせて不具合がないか、試用期間10年を目安に確認します。特に電気機器や換気扇は、メーカー保証の残り期間を確認して、気になる箇所があれば有償または無償点検修理を依頼しましょう。システムキッチンは、廃番モデルだと全てを取り換えねばならないという可能性もあります。箇所ごとに必要な分だけ取り換えが可能かどうかを調べておくと良いでしょう。給湯機やボイラーなどの設備も交換時です。

○築10~20年の区切り

建築から20年がたつと、外観の傷みも顕著になります。特に外壁の色あせや紫外線焼け、そしてコンクリート打設部分等のクラック(ひび割れ)も、築10年から20年の間に目立ち始めます。そのまま使用して雨風しのげれば・・・と思われがちですが、屋根の修理や補修は重要です。屋根には直射日光が当たり、劣化が最も激しい箇所です。屋根具の検査を依頼し、色汗やささくれ等が確認されれば、補修をしておくべきです。特に木造住宅の場合は、屋根の劣化でひび割れや腐食が起き、雨もりの原因となります。外壁の拭きなおしには、数十万円から100万円以上の費用がかかります。選ぶ外壁用塗料の質によって価格は変動しますが、最近ではシリコン入りの、伸びに強い塗料が人気です。価格は中堅ランクですが、地震による建物のゆがみにも耐えうる効果が期待できるため、人気があります。全面外壁のやりかえを検討するなら、そののち数十年の耐久性を考えて、サイディングなど手入れが楽である上に、外的ダメージに強いものへ変更するというのも一つの方法です。マイホームの老朽化や劣化は、箇所ごとにちらほらと不具合が起こり始めてから対処すると、メンテナンスが必要な場所が重複する可能性もあります。痛んでしまう前のメンテナンスのほうが安く施工でき、長く使えて、結果として維持費を安く押さえることに繋がります。定期的なメンテナンスを行って、長く住みよい環境を維持し続ける、という発想が家を長持ちさせましょう。こまめな維持管理を続けていくことで、大がかりな工事の必要も無くなります。

【著 者   長 岡  利 和】


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