アパート、マンションなど、住まいを賃貸から購入に切り替えて、マイホームを検討している人にとってのよりどころは、不動産会社と住宅メーカーでしょう。新築一戸建てや、これから分譲が始まるマンションを購入する場合は住宅メーカーや販売代理会社を通じて、プランや設備の設置を詰めていきます。中古物件を購入する時は、各不動産会社で取り扱っている戸建てやマンションの物量が仲介契約によって異なります。新築・中古の物件によって取引の形態が異なり、そのうえで購入依頼する業者は注意して選ばねばなりません。
○新築物件取引の形態
新築の一戸建てやマンションを購入する場合の取引の仕方には二通りあります。まず一つ目は販売代理です。売主と買主の間に入り、売主と代理契約を、買主とは売買契約を取りつけます。買主は購入代金を販売代理会社に支払い、代理会社は販売代金を売主に払います。そののちに、売主から契約料を受け取り、物件引き渡しを行います。特徴は、代理権を持っている販売会社が、物件の情報提供から契約、引き渡しを一括して担うところです。売主の都合や意向は都度販売会社が確認をしたうえで、買主に対して説明や契約を行うので、スムーズに事が進行します。二つ目は仲介です。売主と買主総苞と媒介契約を締結します。買主への物件紹介、売主への買主紹介をし、売買相手を探す手伝いをすることで手数料を得ます。仲介の場合は、代金の支払いや契約、引き渡しは、売主と買主によって行います。
○中古物件管理・取引の形態
中古物件の管理に関しても形態が二通りあります。一つ目は仲介不動産です。大元の不動産会社があり、その下に仲介不動産会社が位置します。仲介した物件に関して、紹介や管理を行うという方法です。二つ目は、その大元となる元締不動産です。全ての物件に対して直接的に管理を行います。中古物件を探す際は、この元締めをしている不動産会社を選ぶと、交渉や状態説明をしてほしいという願いを聞き入れてもらいやすく、スムーズに話がすすむでしょう。
○不動産会社の信頼度が確認できる
一見、どの不動産会社も実は同じで、多少取り扱いの物件に差がある程度ではないか。という風に思う人もいるかもしれません。不動産取引を行う場合、業者は宅地建物取引業者の免許がなければなりません。そして、この免許は5年に一度更新をしなければならない決まりとなっています。5年ごとに更新した回数は、宅地建物取引業者票の中の免許証番号にカッコ書きで記すことになっているので、知事または国土交通大臣と書かれた後のカッコ内にある数字を見れば、更新回数が分かるという仕組みです。物件の販売営業を長く行っている不動産会社は、このかっこの数字が多くなりますし、信頼が置けるというひとつの目安になります。
○不動産情報の宝庫 レインズ
不動産流通機構が運営している「レインズ」というシステムがあります。全国にある不動産情報が登録されており、このレインズと提携している不動産会社は随時、その物件情報を確認することができるようになっています。沢山ある物件の中から、どの住宅を購入するか迷ってしまうでしょうが、分からないことや譲れないこだわりは可能な限り伝え、疑問や不安を解消しながら絞り込むようにしましょう。引き渡しを受けた後にマイナス要素を発見しても、対応できないこともありますので、トラブルや不満を未然に防ぐためにも、自分に合った取引形態の業者を選ぶことが重要です。
【著 者 長 岡 利 和】