中古戸建選びのメリットと販売チラシの見方

中古住宅販売業界は、近年の空き家問題とともに時代の流れに乗っていると言えます。中古という事に負のイメージを持つ人もいるでしょうが、新築住宅よりも安い価格で一戸建てを所有することができ、またリフォームをして自分好みの間取りへ変更することも可能です。最近では、若い人の間でリノベーションをして古民家や中古住宅に住まう人が多くなってきました。堅実にマイホームを手に入れて、その中で自分の住みやすさを考えながら楽しんで手を加えていくという手法は、新たなニーズとして市場も育っている感があります。どんな戸建てを選ぶかは人それぞれにこだわりのポイントもあるでしょうが、たくさんの中古物件から一つを絞るまでの作業を効率よく行うためには、平面図からその家の特徴を読み取ることが大切です。

○中古物件のメリット

実際に目で見て確認することができるのが、中古住宅を選ぶ上での大きなメリットです。形になっていない物を想像して、それにお金を投じるのが不安な人や、できるだけ早く引っ越しをしたい人は、現に建物がすでに建築されていて、引っ越しがいつでも可能な状態にある中古住宅を購入することで感じられるメリットが非常に大きいでしょう。

○チラシで物件を見るポイント

中古住宅の販売チラシには、非常に沢山の情報が掲載されています。間取り図ももちろんですが、物件概要にも目を止めてみましょう。

●目を引くキャッチコピー

住宅の魅力を凝縮したキャッチコピーを載せている広告を頻繁に見かけます。物件を見る前にまず、その紹介内容を見ると、どの物件も良さそうに感じてくるでしょう。ただ、ここの紹介文章で「掘り出し物件」や「完全」というような言葉を使う業者は信用しないほうが良いでしょう。不動産広告では、見ている人の誤解を招くような文言や表現を、宅建業法や業界の定めた規制で禁止しています。

●物件概要にこそ大切な情報が

広告の中では、非常に小さな文字で記載されていることも多い物件概要ですが、地目や用途地域、日陰制限や道路について、また現在「空き家」または「入居中」という重要な情報が記載されています。都市計画地域に指定されている住宅ではない場合、開発行為や建物の建築に制限があることがあります。市街化調整区域に至っては、建築物に増改築など手を加えることができません。また、用途地域によってそれぞれ定めた地域の目的に応じて、建築物の高さや建ぺい率、容積率など制限があります。中古住宅を購入した後にリフォームを考えている場合、今ある家からの改良をする際にさまざまな制限が加わることで、思い通りのリフォームが出来なくなることも考えられます。

●間取り図は参考までに

その物件の様子を一目で確認することができる間取り図は、生活のしやすさや家族が満足して過ごすことができるかを想像する材料になります。求める家の形に近い間取りと動線をチェックするには充分ですが、実際には現地を確認して、必要な広さと使いやすさが感じられるかを確認しましょう。掲載している間取り図より、現況を優先する旨の注意書きがされるのはそのためです。車を所有している人は、駐車スペースがきちんと確保されているかも大事なポイントです。戸建は集合住宅と違い、一家族がその家を想いのままに使え、改良していくことができるのが大きなメリットです。また中古住宅であれば、現物を確認して購入できる安心感があります。広告から必要な情報をきちんと確認し、自分のライフスタイルにあった戸建をタイムリーに探していくのが、良い物件と巡り合う事に繋がります。

【著 者  長 岡  利 和】


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