戸建にはどのくらいの維持費がかかる?

自分の持家を手に入れたいと思った時に、まず「マンションにするか、それとも戸建にするか」購入する住居のタイプに迷う事でしょう。戸建住宅であれば、他の人に干渉されず、思い通りに住まう事が出来てなお且つマンションに掛かるような共益費や修繕積立金、駐車場代が必要ありません。また、一戸建てのほうが集合住宅であるマンションよりも、固定資産税が高くなるというイメージを漠然と持っている人が多いようです。一概にどちらが得でどちらが損かとはいいづらいですね。比較するのは掛かる費用以外に、住まいやすさや立地、居住スペースの広さ、日当たりやセキュリティーなど様々ですが、今回は戸建てにかかる維持費に焦点を絞って考えてみます。

○戸建は修繕費がかからないというウソ

マンションは、管理組合を中心にした規約(定款)を元に、管理する費用を皆が拠出し、どのような住まい方をして、補修や大規模修繕に対してどのように積み立てていくかを話し合い、来るべき修繕に備えた積み立てを行います。一ヶ月の修繕積立金が数万円程度かかることを考えると、戸建にはそれがないので、お得と感じる人もいるのではないでしょうか。しかし、現実は違います。管理を行うのは持ち主である自分の裁量ですが、実際に毎日使用している住宅内の設備機器や内外壁、またマンションの共用部分に当たるような庭の駐車スペースのメンテナンス、外溝の修理費用に至るまで、全て持ち主が負担することになります。設備の中で寿命が短いと言われるのが、水周り周辺機器です。また排水のつまり、配管の傷みなども全て一家でメンテナンスを行わねばなりません。水道トラブルや設備の老朽は、およそ10年が節目と言います。特に外壁と屋根は、常に外気と天候にさらされている状態のため痛みや腐食が激しくなります。外溝、外壁、屋根は10年程度で一度メンテナンスを行い、20年程で修繕や張り替え、塗り替えが必要です。

○一件の戸建でどのくらい維持費がかかる?

固定資産税は、戸建・集合住宅に関わらず所有権者に対して課税されます。マンションと違うのは、「土地所有のありなし」でしょう。土地建物を所有している場合は、固定資産税と都市計画税が戸建所有者に課税されます。また、積み立ての必要がない修繕にかかる費用は、不具合が出ればその都度必要になりますし、壁や屋根の定期的なメンテナンスを考えれば、「10年で100万円程度」修繕費に掛かると思っておいた方が良いでしょう。中古の戸建住宅を購入する時は、これまでのメンテナンスの経緯を合わせて確認しておくと、そののち購入してから必要となる直近の修繕費が、おおよそ計算がしやすくなります。住まい方とメンテナンス、物件とのめぐりあわせも、マイホーム購入には大きな要素です。マンションも戸建も、修繕費用や課税される税金はほぼ変わりません。(住宅規模によって費用の大小はあります)。端的な維持費だけではなく、トータルで掛かる費用と、その資産価値、住まい方を考えて、理想に近い住宅を購入するように心がけましょう。

【著 者   長 岡  利 和】


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