理想のマイホームのあり方を考える時、家族全員が快適に過ごせる空間と、毎日行き来する部屋の移動と動線を考えてプランニングすることが重要です。形や配置に対するこだわりを各場所単体で検討してくと、それぞれの空間に移動する時に動きづらく、過ごしにくい空間になってしまう可能性があります。動きやすく使いやすい間取りが、住みよいマイホームの基本です。
○家族の動線を考える
マンション住まいを検討する時に、参考になるのはモデルルームですね。特に新築物件の場合は、まだ存在していないマンションの一戸を購入契約することになりますので、(モデルルームが実物と完全一致するという訳ではありませんが)使用している建具や建材、間取りと、実際に感じる広さや使いやすさを判断する参考材料として、充分に役立ちます。また、一戸建てのマイホーム購入を検討する時には、平屋か二階建てかによって、生活スタイルと過ごす居室間移動の割合が全く異なります。それぞれの部屋を行き来するシチュエーションを思い描きながら、キッチンや収納の場所と向き、動線の取り方を確認しておきましょう。
○最近のマイホーム事情
不動産価格が落ち着いてきたこと、マンション物件数の飽和等を見ると、都会でも土地を購入して、一軒家を持ちたいという人が増えている傾向にあります。長く続いている不景気の経済を刺激する目的で、低金利政策が続いていますが、住宅ローン金利も公表されるたびに下がっている現状を見て、若年層の夫婦や子育て世代の家族が、狭小地を購入して住宅を新築するケースも増えています。
●新築だけじゃない マイホームの探し方
広い土地を購入して、その土地に見合う住宅を羽振り良く新築することができれば、これほど幸せなことはありません。最近の住宅徴候としては、これまではイレギュラーだった「中古住宅や中古マンションのリノベーション」・「狭小地や旗竿地などに狭小住宅を建築」が、若者の間で注目されています。自己資金を抑えて、自分たちらしく納得のいく住まいを手にするために、様々な工夫を凝らす購入者が多くなっているのです。
●リフォーム・新築設計で注目したい 階段
中古住宅のリフォームや、狭小住宅のプランニングでも、家族の動線を取りやすい設計にすることが基本です。動線の中でも、二階へ通じる階段を設置する時は、細心の注意を払いましょう。限られたスペースの中で、各階をつなぐための階段をどのように設置するかによって、実際の生活動線の善し悪しを左右すると言っても良いでしょう。
●廻り込む階段の使い心地
マンションのメゾネットや戸建住宅の居室を広く取ろうとするあまり、移動のためのスペースを出来るだけ抑えるために、廻り込み階段を設置する住宅も多いです。しかし、特に高齢者や小さい子供にとって、廻り階段は危険を伴います。廻り階段を採用している場合、踊り場スペースの設置を避けたいという意思によるものが多いですが、万が一転倒した場合は、途中で止まることなく、合間に体をぶつけながら下まで止まらない危険を伴います。
○まとめ
マイホームプランの確認や、実際の使い心地を判断するため、モデルルーム等に出かけ、間取りの使いやすさや動線の取り方を体験してみましょう。最近は狭くても充分に機能することができる注文住宅も増えています。プランニングする際は、動線とリビングなどの居室、そして2階をつなぐ階段に注意して確認を行いましょう。
【著 者 長 岡 利 和】