マイホームのために頭金を準備した世帯の平均は 融資と資金の実態

「マイホームを購入したいなら、頭金を購入価格の20パーセント貯蓄してから」という言葉は、住宅購入を考えたことがある人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
マイホームに掛かる購入費用だけではなく、実際には登記費用やローンの手数料、火災保険や団信加入などの保険関係、そして引っ越し費用に近所のあいさつ回りや地鎮祭・・・。家一軒を購入する時には、目に見えない出費が重なります。

住宅は、引き渡しがあった時点で2~3割程価値が下がる、という不動産市場におけるこれまでの慣例のようなものもあると言います。そのため、購入代金のみを考えて住宅ローンを満額借入しようという考えは危険だという注意を促すためにも、この20パーセントという数字が浸透してきたのでしょう。
実際に購入金額の2割を貯金しなければ買えないという事はもちろんありません。最近では頭金ゼロで、フルローンを組み購入を決断する世帯もあります。
では、住宅購入をした世帯の中で、どのくらいの人たちが資金0だったのか。そしていくら貯蓄をしていたのかも気になるところでしょう。

○頭金の準備額割合は
住宅融資を、マンション購入金額のうちどのくらいの割合で受けたかという調査を行った、「リクルート住まいカンパニー 『首都圏新築マンション契約者同行調査』」を一例として挙げます。
この調査では、アンケートを実施した2013年の結果で、「頭金なしで購入」した人の割合が6パーセント、「頭金比率が5~10パーセント」の人と「頭金比率が5パーセント未満」を合わせても、合計で35パーセントの人が、1割に満たない頭金でマンションを購入したということが分かっています。

●融資の内訳にも変化が
これまでは、諸費用や税金は融資対象外という金融商品がほとんどでした。しかし、融資の実績を上げたい金融機関の思惑もあるせいか、頭金ゼロに加えて保証料や登記代まで貸し付けが可能となった銀行もあります。

○頭金にするための貯蓄額平均は
家計調査報告2015(総務省統計局データ)によれば、住宅の購入を前向きに考えている20~30代の働き世代では、頭金400~600万円の層が最も多い割合となっていました。
しかし、預貯金額の平均をみると、年代によってもバラツキがありますが、全世帯の11パーセント程が100万円未満と回答しています。
そして、全世帯の三割ほどで貯蓄額400万円未満という結果も出ています。「貯蓄額=住宅購入頭金」という縮図を感じますね。
 

住宅購入は、目に見えない部分にも多くの費用がかかります。とはいえ、貯蓄して頭金をしっかり貯めてから家を購入しようと、漠然とした目標を立ててしまうと、堅実に貯蓄も進みませんし、家の買い時が分からなくなってしまいます。
各世帯によって考え方が違うように、購入資金プランが異なっていてもおかしくはないでしょう。自分たちが返済していけるプランを探って、色々な住宅ローンの内容を比較してみることをお勧めします。

【著  者  長 岡  利 和】


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