一戸建ての住宅を所有している人、また分譲マンションを購入した人など、不動産(土地・家屋)を所有している人に対して毎年課される税金が「固定資産税」です。
一軒家とその家が建っている土地を所有している人は、自分の所有名義になっている不動産に対して課税されるという点で、土地と建物に対して課税されるのは分かりやすいでしょう。
マンションは、専有部分が自分名義での所有物となります。そのため、土地に掛かる税金は無いと思われがちですが、マンション自体は一筆の土地の上に建設されているため、誰かがこの土地に掛かる税金を負担しなければならないというのは想像ができるでしょう。
○マンションの敷地所有権
一戸建ての住宅と違って、一筆の土地の上に何戸もの住宅が存在している集合住宅の場合、土地に対する考え方は、「全体に対する所有マンションの床面積割合分」となります。
マンションのような区分建物は、分譲する一戸の建物を登記する時に、その敷地に関する権利もあわせて登記することとなっており、建物の専有部分と敷地利用権を離して処分できないようになっています。
●どうして持ち分の敷地利用権が建物登記とセットなのか
分譲マンションは一戸建ての住宅と同様に、新築購入はもちろんですが中古物件として売却をすることもあります。その際に、敷地利用権と専有部分を別々に登記していたら、それぞれに移転登記や保存登記が必要になります。
また、敷地件だけを譲渡するという事も可能になってしまいます。
敷地利用権と建物が別々の所有者になってしまった場合、マンションの専有部分を所有している人が売却しようと思っても、その敷地を使用する権利が付帯されていないことになり、事実上売却ができないという可能性があります。
そのため、マンションを売る時は一緒に敷地利用権も売り買いされるようになっています。
そして、頻回に起こることが想定される登記の手間を省くためにも、建物とセットにした敷地利用権を合わせてひとつの登記にすることになったのです。
○敷地利用権に対する固定資産税は
区分所有割合に応じて、固定資産税評価に基づいた土地分の固定資産税を負担することになります。マンションの土地登記簿は、各戸全ての登記がひとつに記載されるので、全体の課税標準税額は、敷地全体に対して求めることになります。
土地の固定資産税額は、敷地件割合に敷地全体の課税標準税額を掛け、更に固定資産税率を掛けて計算します。
マンションは分譲戸で販売購入しているから、土地分の税金がかからないという認識をしている人もいるようです。
しかし、使用する敷地割合に対しても固定資産税は課せられます。立地条件や分譲戸数によって大きく変わる部分ですので、マンションの購入を考えている人は、土地課税評価と合わせて物件価値と価格を検討すると良いでしょう。