マイホームへのあこがれは、新築住宅で叶えるというイメージが強いかもしれませんが、実際に購入しようと試算すると、その代金支払いに必要な額を目の当たりにして心が折れてしまう人もいるかもしれません。
生涯をかけて(節約や我慢をしながら)高い新築住宅への支払いに神経をすり減らすくらいならば、もっと安い住宅を買って、気軽に人生を楽しめる余裕を感じられる方が健全です。
何もマイホームは新築にこだわらず、目先を変えて中古物件の中から探してみませんか。
なにより、中古住宅のメリットは「現状をすぐに確認して住まいを想像しやすい」点でしょう。
○マイホームの買い時 割引率と中古物件
中古住宅は、価格の面で新築にはないメリットを感じられます。例えば同じ立地条件で、これから土地建物を購入する場合と、既存中古の住宅と土地をセットで購入する場合を比較すると、中古のほうが価格が安くなるのです。
立地条件は譲れない、でもできるだけ広い土地が欲しい。
建物も可能な限り間取りを広くしたい。欲張りだと思われるこのような条件ですが、「建物付き土地」や「土地付き一戸建て」で探してみると、条件に合致する不動産を一度に体入れることができるかもしれません。
フラット35を利用して不動産購入した人の平均購入価格を見ると、住戸住宅では、全国平均で新築住宅の63%の価格で中古住宅の購入契約を行っているという数値があります。
(住宅金融公庫2014年度フラット35利用者調査より)
同様の物件を6割程度の価格で購入できるのなら、ファーストオーナーではないにしてもリフォームやメンテナンスで改修すれば問題なく住まうことができるでしょう。
●その物件がどのくらい販売期間か 買い時と交渉術
中古販売される住宅は、それ相応の事情をそれぞれの物件が抱えています。お金もちオーナーのセカンドハウスとして購入したか、または急な転勤のために家族全員で引っ越しを余儀なくされたか。また自分の所帯がすでにある人が引き取った相続遺産か。
同じ条件の物件でも、中古販売するに至った経緯によって、その価格は大きく変動する可能性があります。先の例で、最も「売りたい」事情を抱えているのは急な転勤の場合でしょう。
後に戻る予定のない住宅を管理し続け、ローンを払い続けるのは普通の家庭なら重すぎる金銭事情です。一時も早く二重ローンや複数物件の支払いを解消したいはずです。
売り出しが始まった当初の価格のままでは、簡単に購入者が決まらないのが中古住宅。物件によっては1割程度の値引きも可能になる場合があります。
●不動産会社選びも慎重に
中古住宅を探す時には、一度に複数の不動産を確認することができ、また自分にあった条件から検索してくれる不動産業者を頼るのが一般的でしょう。しかし、不動産会社の中でも、単に物件を見せてくれるだけの所もあれば、その人にあった条件をかなえようと動いてくれる営業マンがいる所もあります。
それぞれの物件にどのような条件があって、オーナーの事情や販売経過期間など、情報を的確に共有してくれる担当営業マンと出会った時こそ、買い時なのかもしれません。
【著 者 長 岡 利 和】