戸建てを夢見る 後悔しない家づくり

一戸建てにあこがれるファミリー層の世帯では、子どもの成長に合わせて、どんな家に住まうか・どのような間取りで生活するか、さまざまな想像を繰り広げて夢を描くでしょう。

しかし、理想の形ばかりにとらわれる家づくりは失敗の元。一戸建てを建てようと思うと、あれもこれもと理想を詰め込みたくなる気持ちは分かりますが、あれこれと考えあぐねてしまい、結果取り留めがなく過ごしづらい家になってしまう場合もあります。
何より、理想を多く取り入れて実現しようとすると、必ずと言っていいほど予算との折り合いがつかなくなります。理想を追い求めて形を優先すると、見えづらい箇所で予算を削ろうとする思考に移ります。
予算をどこでどう削るか。
これは住宅を考える上で非常に大事なポイントですが、あまりに見えづらい部分の予算をカットしようとすると、思わぬ落とし穴にはまってしまうかもしれません。
最近では規制も厳しくなったシックハウス対策ですが、近年はアレルギーや化学物質に対する身体の過剰反応を示す人も少なくありません。
昔の問題だと軽んじず、自分の理想の戸建てを考える際に、一度は思い返して使われる建材や部材について確認をしておきたい必須ポイントです。

○シックハウス症候群と一戸建て住宅
新築戸建ての家を訪れて「独特の新しい家のかおり」を感じたことがありませんか。新車を購入した時にも「新車の香り」を感じるように、新設したモデルルームや建て売り住宅の販売当初は、このような独特のかおりを実感したことがあるでしょう。
無添加木建材などから発する天然の香りであれば、安らぎや快さすら感じて印象も良いでしょう。
反対に、ちょっと鼻にツンと来るようなにおいがあり、目がチカチカする・頭痛がする・喉が痛くなる、という自覚症状を感じたら、戸建ての中で何かしらの化学物質が室内空気を汚染している可能性があります。

●シックハウス戸建ての行く末
シックハウス症候群(めまいや吐き気、目のチカチカ、呼吸困難、頭痛など)は、特に新築やリフォーム直後に感じることが多く、使用した建材や部材に含まれる化学物質(ホルムアルデヒド等)が室内に浮遊し空気汚染することで起こります。
一度このような症状を実感すると、家の中で長時間過ごすことが困難になります。症状を感じない家族ですら、一緒に暮らす人が辛そうな姿を見るのは心苦しいでしょう。
何より、体に有害な物質が空気中に含まれていると分かれば、その家に住まう事が辛くなり、戸建て購入したことすら後悔することになりかねません。
最悪の場合、健康を考えて手放すか、化学物質フリーの高額部材を使用して改めてリフォームをしなければならなくなってしまいます。

○まとめ
戸建て購入は、一生を掛けて決断する家族の大切な拠り所であり、大きな買い物です。理想の形ばかりにとらわれ過ぎて、不用な出費や健康被害を起こしかねない安価な部材を使わねばならないような予算の組み方は、結果として家にかかる費用を高くしてしまいます。
建築基準法に基づいたシックハウス対策が行われているかを確認し、家族全員のアレルギーや体調を考慮しながら、体にやさしい家づくりを目指しましょう。

【著  者   長 岡  利 和】


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