マイホームを購入する年齢と世帯割合

マイホームを購入する・しないという選択は、それぞれの世帯や家族によって様々ですが、住宅を購入しようと考えるタイミングや年齢には一定の法則がありそうです。
計画的なマイホーム取得のためにも、どの年齢層の人がどの形態の住宅を購入しているのか、統計を元にしてみてみましょう。

○マイホームの形態と取得年齢
国土交通省では、毎年、旧宅市場動向調査を実施しています。この調査で、住宅を購入した世帯の年齢や職業、購入額などの平均データが分かります。

●マイホーム一戸建て取得の年齢は
戸建て住宅の購入には、注文住宅・分譲住宅・建売・リフォーム住宅に種類が分けられます。なかでも分譲住宅購入は30代が最も多く(48パーセント)なっていますが、平均年齢をみると、平成21年(38歳)から25年(40歳)にかけて緩やかに年齢が上昇しています。
注文住宅の購入平均年齢は45歳で、30代と40代の取得者が全体の5割程度となっています。
20~35年の住宅ローン返済期間を考慮して、就労している現役時代の間に返済を完了またはおよその返済目処を付けるために、逆算してマイホーム購入を考えていることが示唆されます。

○世帯別の住宅持家割合
マイホームを購入するのは、なにもファミリー世帯だけとは限りません。単身世帯や夫婦のみのディンクスという人生設計があり、その一部で住まう環境を購入または賃貸で考えていきます。

●マイホーム所有世帯の内訳
平成25年の「住宅・土地統計調査」を元にデータを見ると、全国の世帯内訳で最も多いのは単身世帯(33%)で、ついで夫婦と子供世帯(26%)、夫婦のみ(20%)となっています。そして、分譲マンション・一戸建てなどマイホームの形態にも差がありますが単身世帯のおよそ3割はマイホームを取得している結果が出ています。
夫婦のみ・夫婦と子供世帯ともに、75%程度の家族が持家を所有しているという結果もあり、結婚を機にマイホームを一現実的に感が始めている世帯が多いことがうかがえます。

○リフォーム住宅購入年齢は60代が中心
新築建売または注文住宅は、30~40代の年齢層が中心となって購入している世帯が多い事は前述しましたが、リフォーム住宅に住んでいるのは60台の年齢層が多く、全体の4割を超えています。
働き盛りの頃に購入したマイホームの返済が終わり、リタイアが近づいてきた頃に、住宅のメンテナンスと住まいやすさを追求してリフォームを行う…という一連の流れを想像させる結果です。

これまでの住宅市場動向調査を元にして、おおむね直近5年間の推移をみると、注文住宅は若年齢化し、中古住宅・リフォームは高齢化している傾向がうかがえます。いずれも、住宅ローン金利の引きさがりや、現役働き世代の雇用延長やシルバー世代の労働担い手が増えたという社会的背景が原因の一部と推測できます。

【著  者  長 岡  利 和】


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