変動・固定金利と住宅ローンの平均金利推移の連動

超低金利時代といわれる今だからこそ、住宅購入を検討しているという世帯は少なくありません。住宅ローン金利は、マイホーム購入代金(元金)が大きいからこそ、コンマ1%の変動も見逃せません。その住宅ローン金利が、ついに商品によっては1%を下回るものも登場しています。
住宅ローンの長期支払を危惧して、なかなか賃貸生活から抜け出せないという人もいるでしょうが、これまでの金利推移と平均値を見る限り、この超低金利はしばらく続くであろうという見方が妥当でしょう。

○マイホーム購入時にしっかりと金利シミュレーションを
同じ金利を支払うなら、少しでも低い水準の住宅ローン商品を選びたいと思うのは誰も同じです。
しかし、安直に低金利の住宅ローンに決め打ちして審査・申し込みを行うのは賢明とは言えません。

●中長期ローン金利と変動金利
当面、大きな金利上昇の可能性はないだろうというのが市場動向の見方として多い見解ですが、だからと言ってすぐに変動金利ローンを申し込むのはよろしくありません。
これまでの金利変化を見てみると、市場動向や経済政策によって住宅ローン金利は大きく左右されますが、経済に前向きなトピックスがあれば、先行して金利上昇が起こるのは、中長期的金利のローンです。
まず10年固定等の長期ローンが先行して金利平均を押し上げ、その数か月後に短期(半年・変動)ローンが後追いをして金利の上昇をするという傾向があります。
長期的住宅ローンのほうが、審査を行う金融機関としても長く金利を得ることができます。短期変動住宅ローンの場合、万が一長期ローンの金利を上回るようなことがあれば、利用者側にとって変動金利のメリットがなくなってしまいます。

●目先の低金利に惑わされずに
金利タイプには短期(半年ごとの見直し)や長期(全期間固定金利・10年固定金利)がありますが、いずれも一長一端です。今のような超低金利が続く間に、元金を多く返済しておきたいという人にとっては変動金利が良く見えるでしょう。
ただ、超低金利時代がこれから20年以上つづかどうかは、誰にもわかりません。とすれば、できるだけ長い期間を超低金利の低い水準で支払い続けるほうが安心感を得ることができるでしょう。住宅ローンの借り換えも視野に入れながら、長期ローンを申し込むという人が増えています。
マイホームを購入してから少なくとも20年はローンを払い続けることになります。超低金利の今だからこそ、できるだけ長い期間のローン商品に審査を依頼し、その後の金利を維持しながら返済を行うのがベストではないでしょうか。
金融機関ごとに住宅ローン金利を公表しますが、平均してどこも大きな大差はありません。ただ金利タイプは期間ごとに応じて、また金融機関オリジナルのサービスと併用して利用者を募る施策を練っています。
低金利かどうかを比較検討するには、これらのサービスと合わせて「期間に対して割安な」ローンで申し込むといいでしょう。

【著  者 長 岡  利 和】


投稿日

カテゴリー:

最新記事一覧