毎日を快適に過ごすためには、どのような設備があればいいか。マイホーム購入時に誰もが思いを巡らせるポイントですね。住宅設備には様々なものがあり、高機能・ハイクラスマイホームへのこだわりと内装整備なものから、通常仕様で含まれる基本的な内装建具や設備もあります。
マイホームでどのように過ごすかは、住まう世帯の人数や時間帯によって大きく違いますし、内装を充実させて快適に過ごせる家づくりを目指す購入者も実際に多いのが現状です。新築で一からすべてをそろえるのが難しい場合は、中古住宅をリノベーションして、内装や仕様を自分好みに変更して快適性を増すという人も増えています。
マイホームに求める快適性こそが、内装を決める大きな要素となりますが、省エネ・エコ住宅・長期優良住宅が推進される中で、注目を集めているのが「パッシブ住宅」です。
○内装や設備を機能的に考えるマイホーム
快適性を追求するために、必要な場面に備えてあらゆる設備を完備するという方法もありますが、追求しすぎると配置やスペースに限界が出てきますし、何よりコストがかかります。
どんな内装にするか、どのように動線をとって機能的に過ごせる家づくりをするか。これはセットで考えながら過ごしやすい空間づくりを行っていく必要があります。
●内装を設備にこだわらない家づくり
マイホームの設計を考えるときに、住宅構造や材料、建材をうまく組み合わせることでなるべく設備に頼らない家づくりを考えてみましょう。
パッシブ住宅は「省エネ性や断熱性、気密性に優れた住宅」のことで、ドイツのパッシブハウス研究所が規定した性能基準を満たす認定住宅を指します。日本でも、この認定基準を満たしている住宅がありますが、認定にこだわらずに参考にすることで、過ごしやすい家づくりに近づけるでしょう。
○パッシブマイホームの内装は
日本には四季があります。気温や湿度の変化に合わせて、年中快適に過ごせるマイホームづくりをするためには、季節ごと求める快適性をどのように作り出すかが問題となります。
●内装と間取りを組み合わせて考える
設備にこだわらない家づくりには、「夏は涼しく冬は暖かい家」が基本です。夏の日射を逃がし、冬の太陽光を存分に取り入れられるように、開口部の配置や大きさ・軒の出・窓ガラスの種類を検討します。
湿気対策は、通風・換気性能を高めるために風の流れを保つ工夫(吹き抜けの位置や効率的な換気扇の配置)で十分に行えるでしょう。吸湿天然素材の壁材を内装に用いると、シックハウス症候群防止にもつながります。
健康で快適に過ごせるマイホームが何より理想です。家族が安心して住むことができ、設備設置に頼らずに四季の特性を生かしながら、自然と共存する家づくりを考えることで、余計な設備に室内スペースを取られることもなくなります。
植栽やすだれ、カーテンなども取り入れ、省エネで体に優しい快適な居住環境を考えてみるのもよいでしょう。
【著 者 長 岡 利 和】