住宅ローンの金利推移と金利動向について

現在の住宅ローンは歴史的超低金利

日銀が2016年1月29日に採用したゼロ金利政策は、日本にこれまでにない超低金利を実現させました。現在住宅ローンは歴史的超低金利と言われていますが、これまでどのような金利水準で推移していたのか確認してみましょう。

住宅ローンの金利タイプ

住宅ローンには代表的な2タイプの金利が存在しています。1つは住宅ローン完済までの間に金利が変わる可能性がある変動金利型、そして完済するまで金利が変わることのない固定金利型です。

また、それらの中間の位置にある固定期間選択型では、借り入れ一定期間(3、5、10年のいずれか)は固定金利型、一定期間が経過した後に同じく固定金利にするのか、変動金利にするのかを借りる側が決定するというものです。当初決定する固定金利期間が長くなると金利も高くなります。

変動金利の金利推移は?

住宅金融支援機構では、1984年から2016年までの約30年間についての民間金融機関の変動金利が集計された金利推移をグラフに表したものをホームページなどで提供しています。

それによると、日本のバブル期と言われる空前の好景気時期には金利は8%を記録しており、バブル崩壊と同時に急激に低下しています。その後は段階的に1995年まで低下しており、この失われた20年と言われている長く低迷していた時期から現在までの水準はほとんど同じです。

住宅ローンの変動金利は今の数倍の時代も

住宅ローンは借入期間が長期化するという特徴のある借入方法です。例えば35年という長い間での明確な金利の動きは誰にも予想できません。過去35年を遡って考えた場合には、現在の何倍といわれる金利の時代もありました。現在の低金利がずっと続くというわけではないと言えるでしょう。

固定金利の推移についても確認しましょう

住宅ローンの固定金利に影響を与えると言われているものとして、主要指標が10年である国債の利回りがあげられます。10年国債はいわゆる長期金利と呼ばれており、景気動向の確認のために利用されることも多いでしょう。

平成に入ってから長期金利は低下する一方で、ついに2016年2月にマイナス金利に突入しました。住宅ローン金利はついに底値に入っている状況であることが長期金利の推移から理解できます。

長期金利は歴史的低金利水準で推移

長期間の金利を固定するタイプの住宅ローン金利は長期金利に連動して推移しますが、20年前には8%を記録していた長期金利は低下の一途といえる状況です。現在マイホームを購入するために住宅ローンを組むということは、かなり幸せな水準であると言えるでしょう。

確かに住宅ローンの金利は史上最低金利で推移していますので、どの住宅ローンを借り入れたとしても歴史的には決して高い金利で住宅ローンを借り入れたことにはなりません。ただし、そんな中でも非常に優れた住宅ローンが登場しているという点を忘れないようにしましょう。

どの金利タイプが得?

全期間が固定金利型の場合の金利上昇リスクについては貸す側が、変動型については借りる側が負うことになります。そしてその中間にあるのが固定期間選択型です。固定期間選択型を選択した場合、到来する固定期間終了ごとに頭を悩ませることになるでしょう。銀行は新規顧客獲得のために、住宅ローン実行当初には優遇金利を設定する場合が多く見られます。

色々な条件をクリアすることで店頭に表示されている金利より、低い金利で利用できることを提示して来るでしょう。しかし固定期間が終了した時には、優遇措置などなく同タイプのものを選んだとしても上昇することになるでしょう。固定期間選択型を選択する場合には、そういったリスクも存在することを前もって頭に入れておきましょう。

【著者 長岡 利和】


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