マイホームを新築する場合、プランや設計施工の方法、デザインが決定して契約を締結したら、専門的で厳密な箇所は建築現場で働く人や職人さん、出来栄えをチェックする担当者と役所・検査機関にお任せになります。
施工後の確認は、「竣工検査」と呼ばれ、施工者や管理者などの工事関係者・責任者が、それぞれの立場で検査をします。設備が正しく作動するか、住宅の設計通りに建築されているかなどを確認し、そのあとに、依頼者(建築主…購入者)が内覧を行います。
○引き渡し前に見つけたい住宅の不備
竣工検査では、マイホームの建築に携わった人や担当者が専門的な見地で確認を行うため、その時点で不備があれば、問題の箇所を補修解決して引き渡しをしなければなりません。
仮に、竣工検査で発見できなかった不具合が、のちに分かった時には補修してもらえないこともあるので、この点は慎重にチェックする必要があります。
●竣工検査でチェックするポイント
工事関係者によって行われるチェックポイントは、契約図面との相違有無・建物構造・外回り部分・室内の天井や床、建具の具合、室内設備です。建物の傾きや基礎部分、図面との照合に問題があれば、最終段階の役所や検査機関が行う法令、技術基準の適合チェックまでに補修解決されるでしょう。
屋根のひび割れ・外壁のはがれ・雨どいなどの外回り部分や、給排水の状態・電気配線不良・給水量不足・火災報知機の不具合などの室内設備は、素人目になかなか確認しづらいポイントですが、問題はなかったかどうかを担当者に尋ねておくとよいでしょう。
●建築主でもできる 引き渡し前のチェック
外回りや構造部分を正確に確認することは素人では難しいですが、階段や窓、扉などの建具や天井、床のひび割れと浮き、はがれなどは、目視で確認することができます。
また、設備の不良も使用方法の説明を受けるときに実際に動かしてみて確認するとよいでしょう。
○マイホーム引き渡し前に補修が発生したら
竣工検査で何らかの不具合を確認して、その補修を行った場合、指摘箇所の手直しがきちんと行われたかを再度確認して引き渡すこととなります。
引き渡しの際には、施工者から建物や設備の取り扱い説明を受けて、また書類と鍵を受け取り、ようやくマイホームの引渡しが完了します。
●フラット35融資を受けたマイホームのチェック
融資を受ける際にフラット35で審査をし、実行を予定している場合は、引き渡しまでの確認がより慎重となり、中間と竣工時にそれぞれ現場検査が行われます。また、住宅性能表示制度を利用した場合には、木造で原則3回、完成段階で1回の計4回検査が入ります。
依頼主にとっては、現場を何度のぞいても、その時々に必要な確認ができるわけではありません。とはいっても、引き渡しを受けた後の初期不具合には、補修対応してもらえないこともあります。
竣工検査後の内覧では、充分に時間をとってじっくりと家の中と外を見て回り、少しでも不安や疑問があれば、その都度現場担当者に確認をするくらい慎重にチェックをしておきましょう。
【著 者 長 岡 利 和】